2012 Fiscal Year Annual Research Report
小児血液腫瘍におけるDNAミスマッチ修復異常の実態解明と化学療法戦略への応用
Project/Area Number |
22591173
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
岡村 純 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, その他 (40360854)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 癌 / 化学療法 / 薬剤反応性 / DNA修復 |
Research Abstract |
本研究は、メソトレキセート(MTX)、6-MPといった抗がん剤の感受性を左右するとされるDNAミスマッチ修復(DNA mismatch repair, MMR)の異常が小児血液腫瘍でどのように分布するのか、その詳細を明らかにすることを目的とした。具体的には、(1)小児血液腫瘍におけるDNAミスマッチ修復(MMR)異常(急性リンパ性白血病および非ホジキンリンパ腫において、MMR異常がどのように分布するかを明らかにする。また、(2)腫瘍のMMR statusとMTX、6-MP感受性との関係について、後方視的検討より両者の関係を明らかにすることを目的とした。初年度のH22年度は、このうち急性リンパ性白血病につき、約30例の症例の蓄積と骨髄細胞などの試料標品を集積した。腫瘍細胞におけるMMR異常は、マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability, MSI)により解析可能であるため、さらに、これらの試料標品から、MSI解析に供するための染色体DNAを抽出した。H23年度は、これらの標品に対してMSI解析をおこなった。大変興味深いことに、少ない症例数の解析にもかかわらず、MSI陽性を示唆する解析結果が少数の症例で見出されてきた。最終年度のH24年度は、さらに詳細なMSI解析に加え、これらの症例における抗がん剤治療への反応性について、解析をすすめた。その結果、少数の症例で見出されたMSI陽性を示唆する所見は、造血幹細胞移植による影響であることが判明した。不良な予後が予想される症例では、早期に造血幹細胞移植が施されるため、マイクロサテライトを用いた評価が困難となる。MMR蛋白質の発現を観察するなど、血液腫瘍におけるMMR異常には、MSI解析に加えて、多角的な観察が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)