2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトボカウイルス感染症の疾患スペクトラム及び病態の解明に関する研究
Project/Area Number |
22591174
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石黒 信久 北海道大学, 病院, 准教授 (40168216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 正 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60322806)
有川 二郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10142704)
笠原 正典 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30241318)
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Keywords | ヒトボカウイルス / 呼吸器感染症 / 抗体価 / 胃腸炎 |
Research Abstract |
(1)抗ヒトボカウイルス抗体価の測定方法に関する研究 ヒトボカウイルス(HBoV)の遺伝子は2種類の構造蛋白質(VP1、VP2)及び2種類の非構造蟹白質(NP1、NS1)の4種類の蛋白質をコードしている。我々は、これら4種類の蛋白質を産生するバキュロウイルスを遺伝子組み換えにより作成し、これらのウイルスを感染させたTn5細胞を抗原とする蛍光抗体間接法による血清中の抗HBoV IgG抗体測定法を確立した。鼻咽頭液からHBoVゲノムが検出された下気道感染症患者のうち、急性期と回復期のペア血清が得られた4症例について、血清中の抗HBoV IgG抗体価を測定したところ、4症例全ての回復期血清で抗HBoV VPHgG及びVP2-IgG抗体価の上昇が認められたが、抗HBoV NP1-IgG及びNSI-IgG抗体価の上昇はわずかであった。従って、抗HBoV抗体価測定用の抗原としてはVP1あるいはVP2が優れていることが明らかとなった。 (2)ヒトボカウイルス2~4に関する研究 2009年から2010年にかけて、胃腸炎患者の便中から新たにHBoV2、HBoV3とHBoV4が発見され、最初に発見されたHBoVはHBoV1と表記されるようになった。HBoV1は呼吸器感染症と関連があるウイルスと考えられてきたが、HBoV2-4はその発見の経緯から胃腸炎に関連するとされてきた。我々は呼吸器感染症患者の鼻咽頭ぬぐい液850検体を対象としてHBoV1-4の検出を試みた。HBoV1は132/850(15.5%)、HBoV2は5/850(0.6%)、HBoV3は3/850(0.4%)、HBoV4は5/850(0.6%)の陽性率であった。現在、患者の林相経過と合わせて解析を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] WU Polyomavirus Infection Confirmed by Genetic and Serologic Tests in an Infant With Bronchitis2011
Author(s)
Teramoto, S., N.Koseki, M.Yoshioka, Y.Matsunami, N.Yanazume, M.Nawate, T.Shikano, Y.Takahashi, H.Kikuta, N.Ishiguro
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Journal Title
Pediatr Infect Dis J
Volume: 30
Pages: 918
Peer Reviewed
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