2012 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージをターゲットとした慢性腎疾患(CKD)治療戦略
Project/Area Number |
22591177
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
池住 洋平 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70361897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 俊明 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50419305)
河内 裕 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60242400)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 慢性腎疾患 / 活性化マクロファージ / M2 / 高脂血症 / 線維化 / 難治性ネフローゼ症候群 |
Research Abstract |
本研究の目的はM1(炎症性), M2(抗炎症性・組織修復型)の2系統の活性化マクロファージ(Mφ)に発現する特異抗原に着目し、慢性腎疾患(CKD)の進展における機能を明らかにし、CKD進展機序およびその制御法を解明することである。 H24年度は、本来ステロイド反応性の微小変化型ネフローゼ症候群の治療経過中にステロイド治療に対する反応性が低下する症例があること、また、高脂血症が慢性糸球体腎炎の発症、増悪因子であることに着目し、高脂血症を呈する小児ネフローゼ患者におけM2型活性化マクロファージの関与について検討を行った。 その結果、M2の一型であるCD36またはCD204(ともにLDLスカベンジャー受容体)陽性Mφが、ステロイド依存性または抵抗性のネフローゼ症候群患児あるいは、ステロイド総投与量の多い患児に有意に多くの組織浸潤が認められることが明らかとなった。また、ヒト単球由来マクロファージを用いたin vitroの実験から酸化LDLまたはステロイド(デキサメサゾン)がCD36発現を誘導すること、さらにCD36陽性MφがTGFβ、CTGFなどの線維化促進因子を産生することを見出した。 このことから、一般にネフローゼ症候群症例ではLDLを含むコレステロールの増加が見られるが、高脂血症下で活性化したCD36陽性M2が、本症の治療に汎用されるステロイド薬によりむしろ活性化し、TGFβ等の線維化促進因子の産生を介して基質の増加を招き、治療抵抗性(難治化)に関与している可能性が示唆された。(アメリカ腎臓学会、日本腎臓学会、日本小児腎臓学会で発表)
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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