2011 Fiscal Year Annual Research Report
小児ウイルス関連脳症におけるチオレドキシン(レドックス制御)の役割
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22591179
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山下 信子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40379798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 宏一 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90207340)
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Keywords | インフルエンザ / レドックス / チオレドキシン |
Research Abstract |
(1)重症インフルエンザに罹患し、神経症状を認めた小児の末梢血血液検体の遺伝子プロファイルを検討した。対象は2009年新型インフルエンザに罹患した小児16名(中枢神経症状群:6名、肺炎群:5名、コントロール群:5名)。入院時/退院時のシグナル比を、各群で比較検討した。中枢神経症状群で特徴的に、かつ複数のプローブで高発現が認められた遺伝子として、PTGS2(prostaglandin-endoperoxide synthase 2)、SNCA(synuclein,alpha)、HPGD(hydroxyprostaglan dindehydrogenase)などが認められた。肺炎群・中枢神経症状群共通で高発現が認められた遺伝子には、CNTNAP3(contactin associated protein-like3、OLAH(oleoyl-ACP-hydrolase)、VNN1(vanin1)、HGF(hepatocyte growth factor)、CD55、CD163などが認められた。チオレドキシンに関わる遺伝子の有意な変動が認められなかったことの理由としては、血液細胞がチオレドキシンの主発現部位でないことが考えられた。 (2)インフルエンザ感染モデルマウスを用いてチオレドキシンの治療効果を確認した。本年度は、PR8感染30分後から、C57BL/6マウスにrhTRX-1(遺伝子組み換えヒトチオレドキシンー1)を投与開始した(以後は隔日投与)。マウスの生存率は非投与群6%に比べ、投与群43%と上昇した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TBP-2ノックアウトマウスへの感染実験が、最終年度になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度(平成24年度)、TBP-2ノックアウトマウスへの感染実験を行い、実験のまとめとする。
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