2010 Fiscal Year Annual Research Report
単球・血管内皮・脂肪細胞による3次元培養モデルを用いた川崎病血管炎の病態の解析
Project/Area Number |
22591184
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田代 克弥 佐賀大学, 医学部, 講師 (70295046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 雄平 佐賀大学, 医学部, 教授 (10172967)
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Keywords | 川崎病 / 単球 / 脂肪細胞 / 炎症 |
Research Abstract |
平成22年度は交付申請書に記載した実験計画に基づいて3次元培養導入前の個々の培養細胞の特性について検討した。 1)単球;健常成人末梢血から分離したものを用いて、二次元培養を開始した後にLPSもしくは川崎病患者急性期血清による刺激を行った。細胞の機能変化については、MCP-1・Resistin・IL-6・MMP9の発現の変化を主として蛍光免疫染色で観察して蛍光強度の比較検討を行った。何れの炎症関連蛋白は、LPSもしくは川崎病急性期血清の刺激で有意に増強した(正常対照の120-200%)。その中で対照との変化がはっきりしていたIL-6とMM-9については、更にγグロブリン・プレドニゾロン・Inflixiamb・PDTC(NFκ-B阻害剤)の前処置を行いその効果を検討した。この検討ではγグロブリンが最も抑制効果を示し、臨床で見られるようなInfliximabの有効性は観察されなかった。これは一系統の細胞単独での実験による実験の限界を明らかにして、従来からなされてきた検討では複雑な生体内での反応が説明できないことを再認識させられた。 2)脂肪細胞:現在in vitroで使用できる脂肪細胞株は3T3細胞のみであり、これを二次元培養で脂肪細胞に分化させるとともにその機能について検討を行った。3T3についてはインシュリン+高グルコースMEM培養液下で微細な脂肪滴を含有していることを確認した上で、細胞のアディポネクチンや褐色脂肪のマーカーのUCP-1の発現を観察したが、何れも発現はほとんど認められなかった。一方剖検若年者の冠動脈周囲の脂肪細胞には一部UCB-1陽性の細胞が混在していることを確認しており、単球との共培養に用いる脂肪細胞は3T3と褐色脂肪の混在が示唆された。
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