2011 Fiscal Year Annual Research Report
単球・血管内皮・脂肪細胞による3次元培養モデルを用いた川崎病血管炎の病態の解析
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22591184
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田代 克弥 佐賀大学, 医学部, 講師 (70295046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 雄平 佐賀大学, 医学部, 教授 (10172967)
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Keywords | 川崎病 / 単球 / 脂肪細胞 / 炎症 |
Research Abstract |
平成23年度は交付申請書に記載した実験計画の3次元培養にむけて共培養に用いる細胞について検討した。 1)脂肪細胞;従来in vitroで使用できる脂肪細胞株はマウスの繊維芽細胞由来3T3細胞のみであった。昨年までの検討で脂肪細胞の分化についてはインシュリン+高グルコースMEM培養液下で微細な脂肪滴を含有していることを確認したが、細胞のアディポネクチンや褐色脂肪のマーカーのUCP-1の発現はなく、単球の活性化を促す細胞としては不十分と考えられた。このため、細胞バンクよりヒト由来の間葉系幹細胞株UE6E7T-3を購入し、その培養を行い脂肪細胞への分化を観察した。ヒト由来の細胞であるが、分化した脂肪細胞についての機能について現在その確認を行っている。 2)剖検例での冠動脈の観察:一方今回の実験の裏付けとなるデータを得るために、当院での過去検若年剖検標本30例について、冠動脈及びその周囲の脂肪細胞の機能について免疫組織化学で検討を行っている。それでは、冠動脈周囲の脂肪組織には、内臓脂肪と同じ白色脂肪が多くを占めるが、一部には褐色脂肪の形態を呈するものか観察されること。それらの細胞は、UCP-1陽性であり褐色脂肪細胞の特性を保持していることを観察している。川崎病発症年齢層の標本と、それより年長での差異については現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共培養に用いる適正な脂肪細胞の決定に時間がかかった結果やや遅れ気味である。しかし、その分従来から知ら得ている3T3細胞以外の培養に使用できる脂肪細胞を用いることで、脂肪細胞の違いによる単球・内皮細胞への影響について今年度検討することができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト単球+臍帯血管内皮細胞に3T3細胞、ヒト間葉系幹細胞から分化した脂肪細胞及び正常人より分離され市販されている内臓脂肪細胞を用いて、共培養での違いについて明らかにする予定である。併せて病連例における冠動脈周囲組織標本によるアディボカィン・サイトカイン等の発現について検討を進めていく予定である。
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