2012 Fiscal Year Annual Research Report
心臓・四肢発生におけるHand遺伝子の組織特異的相補性
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22591192
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前田 潤 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00255506)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 四肢発生 / Hand遺伝子 |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、マウスのbHLH型転写因子Hand1のHand2に対する遺伝的相補性は、胎生期の右心室形成過程と異なり、胎生期の前肢発達過程においては、認められないことが推測された。今年度の研究では、Hand2発現領域でHand1が発現するようにHand2遺伝子を改変したHand2Hand1/Hand1ホモマウスを用いて、胎生10.5~12.5日の肢芽の表現型をさらに解析した。胎生10.5日のホモマウスでは、前肢形成は野生型マウスとほぼ同じであったが、胎生11.5日、12.5日のホモマウスでは野生型マウスに比し、前肢第2-5指が低形成で、前肢後側の発達が障害されていた。後肢の形成に関しては、ホモマウスと野生型マウスとの間で形態の差を認めなかった。四肢の部位特異的なマーカー遺伝子の発現をRNA in situ hybridizationで解析した結果、野生型で前肢後側に発現するSox9、Hoxd12、前肢の前内側に発現するTbx3は、ホモマウスにおいては、その発現が低下、あるいは発現が前肢全体に拡大していた。また、前後肢芽に発現して四肢のパターン化に関与するシグナル分子Shhとその下流で制御を受けるPtc-1も、ホモマウスにおいては発現が低下していた。これは胎生期の前肢芽において、Hand1はHand2の機能を代償できず、前肢後側の発達にはHand2が必須であること、その制御機構にShhシグナルが関与することが示唆された。さらに、Hand2loxP/loxP(Hand2コンディショナルノックアウト)マウスと、肢芽にのみDNA組み換え酵素Creを発現するprx-Cre+/-マウスを交配させて得た肢芽特異的Hand2ノックアウトマウスにおいて、前肢芽形成不全を認めた。すなわち、Hand2は胎生期の前肢発達に必須であり、Hand1との遺伝子相補性を有しないことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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