2011 Fiscal Year Annual Research Report
モデルマウスを用いた遺伝性腎炎に対する画期的腎再生法の研究
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22591195
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
金子 一成 関西医科大学, 医学部, 教授 (00214453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 靖 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10268336)
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Keywords | ICGNマウス / マウス / ネフローゼ症候群 / 遺伝性腎炎 / 骨髄内骨髄移植 / アルブミン尿 |
Research Abstract |
ICGNマウスは遺伝性進行性腎炎により高度の蛋白尿を呈し、遺伝性ネフローゼ症候群のモデルマウスとされている。このマウスでは、ホモにおいて、高度の蛋白尿を示すが、雌雄共にホモのマウスを掛け合わせても繁殖が望めないため、ホモの雄と、ヘテロの雌を掛け合わせて繁殖を行った。アルブミン尿の検討は、生後6週齢程度で、まずは、試験紙(アルブミスティック)を用いて判定し、試験紙で陽性の場合には電気泳動を行いアルブミン尿の確認を行った。電気泳動を行うときには、ポリアクリルミドゲルを用い、血清アルブミンをcontrolとして行った。アルブミン尿が著明なものをホモ、陰性あるいはほとんどないものをヘテロとした。ホモの雄、ヘテロの雌を掛け合わせるため、実験はホモの雄を用いて行った。アルブミン尿を呈した雄ホモICGNマウスに致死量の放射線照射(6.0Gyx2)を行い、正常マウスからの移植を試みた。骨髄移植は、ドナーの骨髄細胞をレシピエントの骨髄内に直接注入する骨髄内骨髄移植(intra-bone marrow-bone marrow transplantation; IBM-BMT)法を用いて行った。移植後、3-4ヶ月程度で、アルブミン尿の検討を行ったところ、尿中アルブミンの改善が認められた。腎炎に関しては、ステロイド剤や抗CD20抗体が有効であることより、免疫学的機序の関与が考えられているが、遺伝性腎疾患に関しても免疫学的機序が関与し、また、骨髄移植が有効である可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでにパイロット研究は実施し、期待した結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝性ネフローゼ症候群のモデルマウスであるICGNマウスで前述の実験を進めるとともに、puromycin aminonucleosideを投与して作成できる微少変化型ネフローゼ症候群のモデルマウスも使用し、骨髄内骨髄移植や微少変化型ネフローゼ症候群における関与が示唆されている転写因子のNF-κBの病因的役割についても検討し、小児のネフローゼ症候群の包括的治療法を模索する予定である。
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Research Products
(34 results)