2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子変異と環境因子の相乗効果による神経管閉鎖障害の分子メカニズム
Project/Area Number |
22591200
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
上田 悦子 鳥取大学, 医学部, 講師 (40335526)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 一郎 鳥取大学, 医学部, 教授 (20113326)
|
Keywords | Gli3 / 神経管閉鎖障害 / オクラトキシンA |
Research Abstract |
環境要因の一つであるオクラトキシンA(OTA)に対する感受性が高く、高頻度に神経管閉鎖障害(NTDs)を発症するマウスの早期胚を用いて、前神経孔閉鎖期の遺伝子の発現変動を分析し、NTDsの原因となる遺伝子を探索した。22年度に、妊娠7.5日にオクラトキシンA(OTA)に曝露した群とOTA無処理群の胎生9日胚の頭部よりRNAを抽出し、DNAマイクロアレイ解析を行った。 23年度は、抽出したRNAを増幅方法の異なる試薬や、遺伝子プローブ情報の異なるDNAチップを用いた比較実験を複数回行い、再現性の検討を行った。またこれらスクリーニングの結果をもとにリアルタイムPCR法で発現量の確認を行った。+/+型の雄・雌、Pdn/Pdn型の雄・雌すべての群で、OTA曝露により、発現量が2倍以上増加した遺伝子は204個で、1/2以下に減少した遺伝子は98個であった。これら候補遺伝子の中からリアルタイムPCR法による分析を行った。Barx1、Tbx1、Tlx1はOTA曝露により発現量が増加し、Dmbx1、Stmn4はOTA曝露により発現量が減少した。現在複数の遺伝子の発現の局在性をホールマウントin situハイブリダイゼーション法により確認中である。 さらに、発達による神経管閉鎖の過程に伴いどのような変化が起きるかを調べるため、10日胚の解析を行うことにし、OTA曝露胚および無処理群の胚の採取を行った。今後、9日胚と同様に発現解析を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験動物飼育舎の環境変化に伴いマウスの繁殖がやや低下しており、胎仔サンプル採取に時間がかかったため、マイクロアレイ実験が少々遅れているが、24年度に解析予定である。その他の計画は順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
23年度の結果を元に引き続き、マウス脳形態形成過程に注目してNTDsの原因となる候補遺伝子の発現の変化を解析する予定である。
|