早産低出生体重児の生活習慣病発症の早期リスク予知に関する検討

2010 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 22591208
• Research Institution: Showa University
• Principal Investigator: 板橋 家頭夫 昭和大学, 医学部, 教授 (00223074)
• Keywords: 早産児 / アディポネクチン / レプチン / 生活習慣病 / 内臓脂肪

Research Abstract

平成22年7月から本研究対象者のエントリーを開始し、平成23年3月31日まで15名のエントリーが得られた。そのうち、修正40週に達しているものが11名、修正6カ月に達しているものは1名である。現時点では予定よりエントリー数が得られておらず、十分に検討できる数に達していない。そのため、修正40週までのデータが得られた11名を対象に、各パラメータの関連性の傾向を単回帰分析により暫定的に検討した。
1. 修正40週時点のアディポネクチン(Ad)および高分子量型アディポネクチン(HMW-Ad)は、それぞれ臍帯血中のAdおよびHMW-Adより有意に高値であった。
2. 臍帯血中AdおよびHMW-Adは修正40週時点のAd、HMW-Adとそれぞれ有意な関連性は認めなかった。
3. 臍帯血および修正40週時点のレプチン(Lep)と有意な相関を示す項目はなかった。
4. 修正40週時点のAd, HMW-Ad、Lepと体脂肪組成に有意な関係性は認められなかった。
5. 出生時の体重が頭囲に対して小さい児は、修正40週時点でのFat-scanによる内臓脂肪断面積および皮下脂肪断面積に対する割合が有意に増加した。
6. 修正40週までの間に頭囲に対する体重がcatch-upした児では、修正40週時点でのFat-scanによる皮下脂肪面積が有意に増加した。
これらの結果は少人数から得られた限定的なものであるので、ここから一定の結論を導くことは困難である。今後、対象人数を増やすとともに、修正12カ月までの縦断的な推移を評価する事により、早産・低出生体重児における将来の生活習慣病発症リスクを生後早期に予知する事が可能かどうか引き続き検討する必要がある。