2010 Fiscal Year Annual Research Report
周産期脳障害に対する自己臍帯血幹細胞による脳機能再生の治療戦略
Project/Area Number |
22591209
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
細野 茂春 日本大学, 医学部, 准教授 (50339339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麦島 秀雄 日本大学, 医学部, 教授 (80183648)
山本 樹生 日本大学, 医学部, 教授 (40167721)
渕上 達夫 日本大学, 医学部, 准教授 (60201753)
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Keywords | 再生医療 / 周産期脳障害 / 胎盤血輸血 |
Research Abstract |
周産期管理の進歩により正期産児の仮死の頻度は減少傾向にあるが出生1000に対して1程度の頻度で発症しており脳性麻痺を含む神経学的後障害の原因として早産児とともに重要な疾患である。成人の脳梗塞において自己幹細胞による治療により神経学的異常の改善の報告が散見される。胎盤血は幹細胞が豊富であるため悪性造血器疾患の治療のために末梢血幹細胞移植目的で出生時に採取し保存されている。胎盤血は児にとっては自己血であり神経学的後障害の治療として使用できる幹細胞として現在唯一のものである。このため成人と同様神経学的後障害の治療として安全で効果があるかどうかを検証する必要がある。本年度は「周産期脳障害に対する自己膳帯血幹細胞移植」についての実施計画書の作成し臨床研究審査委員会での審査を待っている。また計画書で示した臍帯血の採取適応基準の患児の発生率を調査した。その結果、当センターNICUに入院した在胎37週以上で出生し周産期後障害が予想されるApgarスコア5分値3点以下の児は4例で3例が院外出生で院内出生例は1例であった。先天性水頭症は3例が当院で出生し2例は先天感染症に伴い水頭症で幹細胞移植の適応となる児は1例のみであった。1000g未満の児では臍帯血採取量が15.5±6.6mLであるため臍帯血を処理して幹細胞を保存することは困難であるため有効な利用法として胎盤血輸血を考慮すべきであると考えられた。
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Research Products
(1 results)