2011 Fiscal Year Annual Research Report
乳房外パジェット病におけるハイリスク群の抽出の試み
Project/Area Number |
22591214
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
青柳 哲 北海道大学, 大学病院, 講師 (40374277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 賢 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (50374434)
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Keywords | 皮膚腫瘍学 |
Research Abstract |
これまで乳房外パジェット病の予後因子として確立された免疫組織学的マーカーはない。今回我々は、ムチンコア蛋白サブタイプの本腫瘍における検討の可能性に着目し、最近報告した細胞周期における腫瘍関連マーカーとの検討を行い、乳房外パジェット病における生物学的悪性度の指標となり得る免疫組織学的マーカーの確立を目指している。 〈平成23年度実績〉 乳房外パジェット病症例の標本からムチンコア蛋白サブタイプの発現量を比較するために、未染プレパラートの作成し、各標本において免疫染色を施行した。用いた抗体は、MUC1,MUC2,MUC5A,MCU6とcyclinD1を中心とした関連細胞因子であるRB,、p27、p21の7種類。施行した総数は、約40症例の60病変。 発現量比較に客観性を持たせるため、各標本を施行者以外の複数の皮膚科医師の鏡検によって、陽性・陰性とその分布、発現の強度を比較検討した。さらに、これらの染色結果と臨床情報との相関に関して検討を行った。 具体的には、染色結果と各症例の、1.臨床的・病理学的な腫瘍の拡がり、2.進行の速度や局所破壊性、3.転移の有無、4.化学療法あるいは放射線療法の無効例との照合に関して総括検討を行った。 結果、MUC5AC、およびMUC2の発現に関して症例によって変化が見られた。 なかでもMUC5ACは腫瘍が進展するにしたがってその発現頻度および強度が高くなる傾向を見出し 統計学的にも有意差を持つことを確認することができた。 その一方でMUC2に関しては統計学的に有意差を見出す結果にはならなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の蓄積がすすみ、MUC5ACが発現増強すると腫瘍がbiologicalにaggressiveとなることを統計学的にも確認することができた。一方でMUC1,2,6はその発現と腫瘍の進展に関連が無い事が分かった。 また上記内容に関して鋭意、論文の作成および投稿準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
MUC5ACの発現の程度と腫瘍の進展に関連性があることに関して論文を作成し、その知見を供覧することとする。
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