2011 Fiscal Year Annual Research Report
表皮細胞のエピジェネティクス制御異常と免疫回避機構
Project/Area Number |
22591224
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 宜明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10260069)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石上 剛史 徳島大学, 病院, 助教 (40464359)
|
Keywords | 表皮細胞 / 腫瘍化 / エピジェネティクス / 脂漏性角化症 / 皮膚線維腫 / 隆起性皮膚線維肉腫 / FGFR3 / FOXN1 |
Research Abstract |
皮膚腫瘍の手術標本を用いてエピジェネティクス制御異常を調べた。 表皮由来の良性腫瘍である脂漏性角化症では、有棘細胞癌などと有意な差をもって線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)3経路が活性化していることを以前に報告したが、その下流として転写因子FOXN1が高発現していることを確認し、FGFR3-FOXN1間でpositive feedback機構が働いていることが示唆された。 表皮に脂漏性角化症様の変化を生じる良性腫瘍の皮膚線維腫とむしろ表皮は萎縮傾向にある悪性腫瘍の隆起性皮膚線維肉腫におけるエピジェネティクス制御異常を引き続き検討した。隆起性皮膚線維肉腫の表皮とは異なり、皮膚線維腫の表皮では、FGFR3の高発現とその下流にある転写因子FOXN1の高発現がみられ、脂漏性角化症と同様にFGFR3-FOXN1間でpositive feedback機構が働いていることを示した。次に、皮膚線維腫において、腫瘍細胞から表皮への関与をさらに検討した。皮膚線維腫の腫瘍細胞において、FGFR3のリガンドと考えられるFGF1,9の発現を確認できず、皮膚線維腫の表皮でのFGFR3-FOXN1間positive feedback機構へ関与する腫瘍細胞由来分子を同定できなかった。一方、皮膚線維腫の腫瘍細胞において、FGF18,FGFR1,2の発現はみられなかったが、FGF2,FGFR4が高発現していることを示し、皮膚線維腫の腫瘍化機構においてFGF2/FGFR4が関与している可能性を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
表皮細胞のエピジェネティクス制御異常を徐々に明らかにしていると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
表皮細胞のエピジェネティクス制御異常を徐々に明らかにしているが、免疫回避機構についてはまだ十分とは言えず、今後新たな分子にも注目し解析をさらに進めていく方針である。
|
Research Products
(1 results)