2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591225
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
村尾 和俊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (40363171)
|
Keywords | 皮膚腫瘍学 / 癌幹細胞 |
Research Abstract |
皮膚有棘細胞癌の癌幹細胞を探るべく、幹細胞のマーカーとなる可能性のあるCD133、samd4、ついて検討した。まず、実際の腫瘍の手術サンプルを用いてCD133、samd4の発現について、免疫組織学的に検討した。手術サンプルは皮膚有棘細胞癌以外の皮膚癌からも得た。皮膚有棘細胞癌、およびそのin situ病変である日光角化症、Bowen病では、一部の症例で、CD133の発現が数%未満で認められた。悪性黒色腫では明らかに症例により発現に差があり、進展度、分化度、予後などとの因子との関連を今後検討し、将来の移植実験に用いるかどうか検討する予定である。またsmad4に関してCD133より明らかに発現の差が認められた。Smad4の発現はケラチノサイトの悪性腫瘍のみで検討したが(Bowen病、皮膚有棘細胞癌)、陽性・陰性の症例の差がはっきりしていることから、これらの症例の臨床的詳細な経過をさらに検討し、次年の研究につなげたいと考えている。また、幹細胞の候補としてあげたside population,ALDH活性に関しては、手術サンプルを用いて、assayの適正条件を決める実験に留まり、それらのin vitroでの腫瘍形成能などの検討には至らなかった。これはサンプル数が思ったよりも少なかったためである。引き続き、症例毎に検討していきたいと考えている。Colony formation assayなどその検討に必要なin vitroの研究条件は本年度既に整備できている。なお、次年におけるin vitroでの研究の準備として、免疫不全マウスであるヌードマウスにSCC、melanoma、隆起性皮膚線維肉腫の腫瘍細胞を移植し、担癌モデルマウス形成を進めている。
|