2011 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームとしての乾癬-レプチンの関与について
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22591226
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
中島 英貴 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (70314995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 喜美子 高知大学, 教育研究部・医療学系, 講師 (20403892)
志賀 建夫 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (70444768)
佐野 栄紀 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (80273621)
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Keywords | 乾癬 / アディポネクチン / 高分子量アディポネクチン / IL-17 / IL-22 / IL-23 |
Research Abstract |
乾癬患者血清中におけるアディポカインとTh17関連サイトカインを正常人と比較すると、アディポカインにおいてはレジスチン、ケマリン、レプチンが有意に高値を示し、Th17関連サイトカインではIL-6、IL-21、IL-22が上昇していた。逆に、乾癬患者において高分子量アディポネクチンhigh molecular weight (HMW) adiponectinは、有意に低下していたが、総アディポネクチンは正常人との有意差は見られなかった。またアディポカインであるレチノール結合蛋白4 retinol-binding protein 4 (RBP-4)や、Th17関連サイトカインであるTNF-aは正常人との有意差は見られず、IL-17やIL-23は測定感度以下であった。IL-17やIL-23は乾癬の病態形成の初期に関与し、病変局所にしか存在しない可能性が示唆される。 乾癬の病勢を反映するPsoriasis Areaand Severty Index (PASI)とアディポカインの関連において、高分子量アディポネクチンは負の相関(r=-0.296)を示すが、総アディポネクチンは正の相関(r=0.238)を示すことから、アディポネクチンは分子量の差によって異なる作用を示す可能性が示唆された。すなわち乾癬患者において、低分子量から中分子量アディポネクチンは産生が高まっており、それらは炎症作用を示すことが推測される。これを裏付けるように、PASI=10の中等度から重症の乾癬患者においては、総アディポネクチンとIL-6は強い正の相関(r=0.6397)を示した。PASIとTh17関連サイトカインの関連において、IL-21とTNF-aは正の相関を示さなかったが、IL-22は正の相関(r=0.322)を示した。これらのことから、IL-22は乾癬の重症度のマーカーとして有用であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乾癬患者とメタボリックシンドロームとの関連において、アディポカインと乾癬の病態との関連を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
乾癬患者におけるアディポカインとTh17関連サイトカインとの相関を調べ、乾癬の発症機序にメタボリックシンドロームがどのように関与しているかを調べる。
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Research Products
(3 results)