2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591231
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
照井 正 日本大学, 医学部, 教授 (30172109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲冨 徹 日本大学, 医学部, 准教授 (10451345)
岡山 吉道 日本大学, 医学部, 准教授 (80292605)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 皮膚 / アレルギー / 蕁麻疹 / 病態 / 新規診断法 |
Research Abstract |
慢性蕁麻疹の中で自己の血清皮内テストが陽性であるものを、自己免疫性蕁麻疹と定義している。現在までにマスト細胞からの脱顆粒を惹起する自己抗体として抗FcεRIα鎖抗体、抗IgE抗体の2種類が同定されている。我々はELISA法を用いて抗FcεRIα鎖抗体の定量を行った。その結果、患者群と健常群では有意な差はなく、自己血清皮内テストの陽性群と陰性群でも抗体価に有意な差はなかった。このことから抗FcεRIα鎖抗体には活性型と不活性型が存在すると考えられ、慢性蕁麻疹患者及び健常人から精製した抗FcεRIα鎖抗体をヒトマスト細胞に添加したところ、患者の抗体では脱顆粒を惹起できるものがあった。また我々は自己反応性IgEにも注目し測定した。抗dsDNA IgE抗体、抗チオレドキシンIgE抗体、抗サイログロブリンIgE抗体の同定に成功した。 アレルゲン-IgE系を介した刺激以外にもマスト細胞の刺激因子が多数想定されており、神経ペプチドの一種であるサブスタンスPも刺激因子の一つとして知られている。実際、慢性蕁麻疹の病変部でサブスタンスP濃度が有意に上昇しているという報告がある。近年、サブスタンスPの受容体としてMrgX2が同定された。我々はMrgX2がヒト皮膚マスト細胞に発現していることを確認した。さらにMrgX2 mRNAをノックダウンしたヒト培養皮膚マスト細胞ではサブスタンスPによる脱顆粒が有意に抑制された。したがって病変部位でサブスタンスP濃度が上昇している慢性蕁麻疹の症例ではMrgX2を介した脱顆粒反応が蕁麻疹の原因として考えられた。実際に共焦点顕微鏡を用いたマスト細胞を特異的に染色できるトリプターゼとMrgX2を二重染色したところ慢性蕁麻疹患者の皮膚では健常人に比べ有意にMrgX2の発現が増加していた。今後は発現量が病勢や離病期間に関わるかを明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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