2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591232
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
落合 豊子 日本大学, 医学部, 教授 (40133425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 良弘 日本大学, 医学部, 助教 (80206549)
羅 智靖 日本大学, 医学部, 教授 (60230851)
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Keywords | アスピリン / マスト細胞 / Cav1.2LTCCs / CRACチャネル / siRNA |
Research Abstract |
1)Cav.1.2.LTCCsノックダウン細胞を用いてマスト細胞に対するアスピリンの作用を解析した。RBL-2HC細胞をsiRNA処理し、Cav1.2.LTCCsノックダウン細胞を作成し、細胞内カルシウム濃度を解析した。コントロール細胞では、抗原刺激による細胞内カルシウム流入を0.1-0.3mMの低濃度アスピリンが増強したが、ノックダウン細胞ではこの低濃度アスヒ。リンによる増強がみられなかった。この結果から、低濃度アスピリンがCav.1.2.LTCCsを活性化することが分子レベルで証明された。この事は、I型アレルギー反応をアスピリンが増悪させる分子機序を明らかにしたもので、今後、アスピリン不耐症などの機序の解明や新規薬剤の開発にも繋がる可能性を持つ重要な成果である。また同様にノックダウン細胞を用いてRBL-2HC細胞における抗原刺激によるcys-LTs産生についても解析したが、コントロールと比べノックダウン細胞では有意な差がみられなかった。これは、cys-LTs産生におけるCRACチャネルなど他のチャネルの影響が大きいためと推測され、今後はCav.1.2LTCCsとCRACチャネル両方をノックダウンした細胞での解析を行う予定である。 2)CRACチャネルノックダウン細胞を用いてマスト細胞に対するアスピリンの作用を解析した。RBL-2HC細胞を用いてCRACチャネルを構成する分子であるSTIM1とORAI1の発現をフローサイトメトリーにて確認したところ、両方の分子の発現が確認された。これらの分子をsiRNAを用いてノックダウンした細胞の作製を試みた。その結果、siRNA処理した細胞ではSTIM1、ORAI1の発現が低下せず、細胞内へのカルシウム流入にも変化がなかった。今後は方法を変更するなどして引き続きノックダウン細胞の作製を試みる予定である。
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Research Products
(3 results)