2010 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚樹状細胞への成人T細胞性白血病リンパ腫ウイルス感染の同定と機能解析
Project/Area Number |
22591234
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
島内 隆寿 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (90399204)
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Keywords | ウイルス / 腫瘍免疫 / 癌 |
Research Abstract |
<研究の目的> 当該年度では、ATL患者における皮膚ランゲルハンス細胞へのHTLV-1感染の同定を行うことを目的とした。 <皮膚ランゲルハンス細胞におけるHTLV-1感染の同定> 患者皮膚病変の凍結切片を用いて、皮膚ランゲルハンス細胞をgoat anti-Langerin IgG、HTLV-1ウイルス関連蛋白をmouse anti-HTLV-1 p24で染色し、Alexa Flour 488 rabbit anti-mouse IgGとAlexa Flour 594 donkey anti-goat IgGを用いて2重蛍光染色を行った。陰性コントロールは正常人皮膚凍結切片を用いた。 <結果> ランゲルハンス細胞は同定できたが、ウイルス関連蛋白の発現をランゲルハンス細胞内に同定することは出来なかった。陽性コントロールとして、HTLV-1 p24をHTLV-1感染細胞株であるMT-2細胞で染色し、陰性コントロールとして、非感染T細胞リンパ腫細胞株であるJurkat細胞で染色し、フローサイトメトリーで確認したところ、MT-2のみで高いp24発現を認めた。 <今後の計画> 検体数を増やし、また他のウイルス関連蛋白で染色を試みる必要がある。さらに、培養下でのみウイルス蛋白を発現する可能性があるため、患者皮膚培養シートからランゲルハンス細胞を70~80%の割合で抽出し、real-time PCR法を用いて、HTLV-1 provirus DNA量を測定する。また、得られたランゲルハンス細胞を培養し、その培養上清中のHTLV-1 p19蛋白量をELISA法にて測定する予定である。これには倫理委員会の申請がさらに必要となる。
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