2012 Fiscal Year Annual Research Report
全身性強皮症モデルマウスの皮膚硬化に対するヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の効果
Project/Area Number |
22591245
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小川 文秀 長崎大学, 大学病院, 講師 (10333519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 和宏 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80170968)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 強皮症 / 皮膚硬化 / ヒストン脱アセチル化酵素 / モデルマウス / トリコスタチンA |
Research Abstract |
全身性強皮症のモデルであるタイトスキンマウス(TSK/+)にヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるトリコスタチンAを皮下注射にて投与したところ皮膚硬化の抑制を認めた。 TSA群と非投与群マウスの皮膚を回収し、線維芽細胞からコラーゲン、線維化に関与するサイトカインのmRNA測定をおこなった。細胞成長因子としてFGF, TGF-βなどのmRNA測定をおこなった。コラーゲンmRNAはTSK/+マウスでTSA投与前はwild type mouseと比較して有意に高値を示していたが、投与後は有意に低下した。FGFもTSK/+マウスではTSA投与前は非常に高値を示していたが、投与後は低下した。他のサイトカインや成長因子も投与後は低下し、コントロールマウスとの差はなくなった。SA投与前後でのマウス血清を用いて、抗トポイソメラーゼI抗体、IL-4、IL-6の比較を行った。TSA投与前後でのこれら抗体、サイトカインの発現量に変化は認められなかった。以上より、TSAが皮膚硬化に与える影響は局所における反応であると考えられたため、TSK/+マウス、コントロールマウスより皮膚線維芽細胞を培養し、TSA刺激の有無により、コラーゲンmRNA、各種サイトカイン、成長因子mRNAの発現を比較した。TSA刺激前は、TSK/+マウス由来線維芽細胞はコラーゲンmRNA、IL-6mRNAが有意に高値を示していたが、TSA添加によりその発現は低下した。TSAは皮膚線維芽細胞に作用し、TSK/+マウスの皮膚硬化を抑制していることが推察された。ブレオマイシンをマウスに局注して作成した全身性強皮症モデルマウスにもトリコスタチンを皮下注投与し、線維化の抑制効果を検討した。ブレオマイシン局注モデルに関してはトリコスタチンは効力を発揮しなかった。トリコスタチンAの皮膚線維化抑制は、線維化のメカニズムにより異なる可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)