2011 Fiscal Year Annual Research Report
接触アレルギーにおける角化細胞接着分子と皮膚ランゲルハンス細胞の経時的解析
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22591252
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
西部 明子 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (30336458)
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Keywords | 接触アレルギー / 角化細胞 / デスモグレイン / 接着分子 |
Research Abstract |
皮膚における接触アレルギーは、外来刺激に対する抗原提示細胞と浸潤するリンパ球によって引き起こされる炎症反応であるが、その機序に関しては依然明らかになっていない部分が多々ある。本研究では、表皮の抗原提示細胞である皮膚ランゲルハンス細胞(Langerhans cell,LC)とそれに隣接する角化細胞(keratinocyte,KC)の相互関係、特に接着機構に着目し接触アレルギーでのKC-KC間およびKC-LC間の相関を解明することを目的とする。 [結果] (1)Desmoglain(Dsg)はDesmosomal cadherinを構成する主たる接着分子のひとつである。Dsg3-EGFPトランスジェニックマウスの皮膚に種々の刺激(Dinitrofluorebenzene(DNFB)塗布、テープストリップ、掻破刺激)を与え、共焦点顕微鏡を用いてDsg3の静的および動的変化を観察した。DNFB感作刺激では、KC-KC間でのDsg3の有意な変化は観察されなかった。テープストリップおよび掻破刺激では、Dsg3のごくわずかな動的変化が観察された。 (2)皮膚の組織標本を作製し、Langerin(CD207)で染色して刺激によるKC-LC間の変化を観察した。その結果、LCに隣接するDsg3の分布・位置に特に変化は見られなかった。また、蛍光ラベルされた接着分子(E-cadherin,Occludin,ZO-1)の抗体を用いた免疫染色においても、分布・位置に明らかな変化は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
LCを生体下で可視化するためにベクターの作成および子宮内遺伝子導入法を予定していたが、現時点で適当なベクターの作成に至らず、また子宮内遺伝子導入法に関しては手技的に安定せず習熟しているとはいい難い。
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Strategy for Future Research Activity |
・現在の進行度から当初予定した子宮内遺伝子導入法による生体内分子観察を平成24年度内に完結することは困難であると思われ、免疫染色等の生体外での観察に変更する。 ・これまでの結果から、種々の刺激によりKC-KC間のDsg3にわずかではあるが動的変化が観察された。これらは軽微な変化であるため解析た難渋することが予想される。数学・工学の専門家に師事し、適当な方法で解析をすすめる。
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Research Products
(2 results)