2010 Fiscal Year Annual Research Report
真皮内組織球におけるらい菌の寄生と排除の相互作用とハンセン病発症に関する研究
Project/Area Number |
22591253
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
石井 則久 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター, センター長 (50159670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 幸一 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター・感染制御部, 室長 (20206478)
森 修一 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター・感染制御部, 室長 (40559522)
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Keywords | 感染症 / 細菌 / ハンセン病 / らい菌 / 細胞内寄生 |
Research Abstract |
らい菌全遺伝子の発現解析をORFアレイを用いて実施した。アレイで得られた蛍光シグナル値は対数に変換し全プローブのシグナル中央値を得た。複数のプローブが中央値の2倍以上の値を示した遺伝子を抽出したところ315遺伝子が該当した。これらの遺伝子を機能別に分類したところ、全遺伝子の分類と類似した分布を示したが、特にエネルギー代謝やアミノ酸、核酸の合成と分解に関与する分類"Small-molecule metabolism"で発現する遺伝子の割合が低下していた。また、同一方向のDNA鎖から発現し隣接した3つ以上の遺伝子が2倍以上のシグナルを示した領域を抽出したところ、19ヶ所の領域を特定した。この領域には既知のオペロン4種と機能分類が同一の遺伝子で構成されている6か所の領域が含まれていた。一方、らい菌感染後の宿主マクロファージにおける遺伝子発現変化についても検討を行った。L型ハンセン病皮膚組織切片の免疫染色では、菌を含むファゴゾーム膜上にTLR2が局在するとともに、ライソゾームとの融合を阻害する因子CORO1Aや、脂質蓄積に関与するadipose differentiation-related protein (ADRP)およびperilipinなどが共局在した。培養ヒトマクロファージ(THP-1細胞)において、らい菌はNF-κB依存性レポーター遺伝子を活性化した。THP-1細胞にらい菌を感染させるとCORO1A,ADRPおよびperilipinの発現が増強した。これらのことから、らい菌は感染後に宿主蛋白を利用して自身の生存に適切な環境を構築する可能性が示唆された。
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[Journal Article] Detection of Mycobacterium leprae DNA from archaeological skeletal remains in Japan using whole genome amplification and polymerase chain reaction2010
Author(s)
Suzuki K, Takigawa W, Tanigawa K, Nakamura K, Ishido Y, Kawashima A, Wu H, Akama T, Sue M, Yoshihara A, Mori S, Ishii N
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 5
Pages: e12422
Peer Reviewed
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