2012 Fiscal Year Annual Research Report
真皮内組織球におけるらい菌の寄生と排除の相互作用とハンセン病発症に関する研究
Project/Area Number |
22591253
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
石井 則久 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター, センター長 (50159670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 幸一 国立感染症研究所, 感染制御部, 室長 (20206478)
森 修一 国立感染症研究所, 感染制御部, 室長 (40559522)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ハンセン病 / らい菌 / 細胞内寄生 |
Research Abstract |
ハンセン病の起因菌である「らい菌」は組織マクロファージのファゴゾーム内に寄生する典型的な細胞内寄生細菌である。通常は細菌を貪食、消化し菌に対する免疫反応を惹起する機能を担うマクロファージ内に感染する菌は、種々の攻撃から逃れる術を有しているはずであり、そのメカニズムがわかれば新たな治療戦略の開発にも結びつく。我々は、らい菌がマクロファージに感染するとファゴゾームにライソゾームの融合を阻止する因子であるCORO1Aタンパクが細胞膜からファゴゾーム膜に局在変化を起こすことを示し、次いで脂質の蓄積に重要なADRPおよびperilipinの遺伝子発現が増加しタンパクがファゴゾーム膜に集積することを示した。一方で、脂質の異化作用に寄与するHSL発現はらい菌感染によって低下した。さらに、らい菌感染はHSLタンパクの脱リン酸化を速やかに誘導し、HSLの機能を阻害した。らい菌によるこのような作用は、らい菌の加熱死菌やラテックスビーズを細胞に加えた際にも一過性には観察されたが持続的に作用することは無かった。したがって、らい菌の生菌のみが持つ何らかの因子が宿主遺伝子発現やタンパクの局在変化を誘導することによって菌のマクロファージ内寄生を可能にしているものと考えられた。 さらに我々は、ハンセン病の多剤併用療法に用いられる薬剤であるclofazimineは、らい菌が持つ種々の作用を阻害することが薬理作用の1つであることを明らかにした。多菌型ハンセン病患者皮膚スメアから抽出したRNAを用いて上記の遺伝子発現を調べたところ、治療によってADRPが減少しHSLが増加するなど菌に不都合な細胞内環境へと変化することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)