2010 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症治療のステージング・ストラテジー確立のための実験研究
Project/Area Number |
22591255
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安部川 智浩 北海道大学, 大学院・医学研究科, 客員准教授 (80301901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 侯輝 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (40455663)
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Keywords | 統合失調症 / Staging strategy / 薬物療法 / 病態モデル / 実験研究 |
Research Abstract |
病態残遺stageにおける認知機能障害と治療抵抗性の病態を反映する指標として、それぞれプレパルスインヒビションの障害とNMDA受容体遮断薬に対する行動上の感受性亢進を用いて検討したが、前者に関しては、現在臨床でも使用されている第二世代抗精神病薬の中からolanzapine, risperidone、気分安定薬の中からlamotrigine, valproate, clonazepamにおいて検討した結果、olanzapineは部分的回復,risperidoneは回復効果を持たず、lamotrigine, valproate, clonazepamに関しては回復効果を持つことが確認された。他方、後者に関してはlamotrigineとclonazepamにおいて検討し、双方ともに回復効果を持つことが確認された。 また病態進行stageにおける治療抵抗性形成、認知機能障害形成およびアポトーシス誘導についての検討に関しては、第二世代型抗精神病薬ではaripiprazole, quetiapineが全ての指標を阻止したことに加え、気分安定薬ではvalproate, lamotrigine, clonazepamが全ての指標において阻止効果が認められることが確認された。これらのMETH誘発性の変化においては、内側前頭前野や側坐核における細胞外グルタミン酸濃度上昇が重要であるが、上述した薬剤に関しては、全てこのグルタミン酸濃度上昇を阻止することも確認された。 mglu2/3 agonistであるLY379268に関しては、METH誘発性のグルタミン酸上昇を阻止し、かつ通常の細胞外グルタミン酸濃度を低下させない用量を決定した。さらにアポトーシス誘導の生物学的基盤に関しては、METH反復投与後のparvalbumin抗体、TUNEL染色の二重染色が進行中である。
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Research Products
(5 results)