2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムワイド関連解析による不安障害の候補遺伝子研究
Project/Area Number |
22591256
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅景 正 東京大学, 環境安全本部, 准教授 (20323587)
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Keywords | Panic disorder / GWAS / SNP |
Research Abstract |
パニック障害は、予期せず重篤な不安(パニック)発作が繰り返され、予期不安や広場恐怖を伴うことが多い疾患である。慢性の経過をとりQOLの大きな低下をもたらし、うつ病や他の不安障害などの合併が多い。パニック障害の疾患感受性遺伝子探索を、不安障害専門クリニックの臨床フィールドの協力を得て研究を行ってきた。Phosphodiesterase(PDE4B)は、精神疾患、気分障害、不安障害との関連が指摘されている。日本人のサンプル231人のパニック障害(PD)患者、対照407人で、PDE4Bの14SNPsのタイピングを行った。ハプロタイプ分析でPDE4BとPD患者との間で有意な関連p=0.031を見出し、PDE4BはPDの病態に関連していることを示した。また、日本人PD 595人、対照626人について、PDの病因とgenome-wide copy number variation (CNV)のとの関連について検討して、2つのcommon CNV clusters (9pll.2,19p13.32-33)とPDが関連していることを示した。19p13.32-33は、ZNF(zinc finger protein 541)を含む領域であり、PDと血清zinc濃度との関連を示した既報を支持した。今後も、診断や薬剤の選択、また新たな治療法の確立などのために、パニック障害の分子遺伝学的研究、特にgenome-wideに大規模な連鎖・関連研究を行うことが必須と考える。
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