2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳画像解析と分子遺伝学的解析による強迫性障害の病態研究
Project/Area Number |
22591262
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川嵜 弘詔 九州大学, 医学研究院, 准教授 (50224762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉浦 敬 九州大学, 大学病院, 講師 (40322747)
光安 博志 九州大学, 大学病院, 助教 (00533176)
實松 寛晋 九州大学, 大学病院, 助教 (30588116)
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Keywords | 強迫性障害 / 神経画像 / 遺伝子 / 症状亜型 / 中間表現型 |
Research Abstract |
九州大学病院精神科を受診した強迫性障害患者15名に対して血液DNAサンプルの採取をおこない、6名に対してMRI撮像をおこなった。このうち、血液サンプルの採取とMRI撮像の両方を実施した者は4名であった。 血液サンプルを採取した15名(男性10名、女性5名)の平均年齢は33.3±9.7歳であった。症状のうちわけは、加害恐怖/確認強迫が4名、不潔恐怖/洗浄強迫が6名、縁起恐怖/儀式行為が1名、加害恐怖/確認強迫+不潔恐怖/洗浄強迫が2名、不潔恐怖/洗浄強迫+溜めこみが1名、不潔恐怖/洗浄強迫+縁起恐怖/儀式行為が1名であった。セロトニン・トランスポーター(SERT)遺伝子、ドーパミン・トランスポーター(DAT)遺伝子、および、ドーパミン受容体D4(DRD4)遺伝子の繰り返し配列多型(VNTR)に関して、強迫性障害の患者15名の遺伝子型を実験により決定した。対照者15名も同様に遺伝子型を決定した。 MRI撮像をおこなった6名(男性3名、女性3名)の平均年齢は32.7±6.6歳であった。症状のうちわけは、加害恐怖/確認強迫が1名、不潔恐怖/洗浄強迫が3名、加害恐怖/確認強迫+不潔恐怖/洗浄強迫が1名、不潔恐怖/洗浄強迫+溜めこみが1名であった。今後の画像解析のための前処置として、得られた個人ごとの画像データについてSPM8を用いて、解剖学的標準化、平滑化等をおこない、体積情報を持たせた画像を作成した。今年度に同意を得たが、日程上の都合のため、まだMRI撮像が実施できていない対象者もおり、次年度以降症例数を増やしVBM解析による健常者との体積比較、症状と画像所見の関連等を検討していく予定である。 また、次年度は、血液DNAサンプルも増やし、症状内容、治療反応性、発症年齢等と遺伝子型の関連を検討していくとともに、血液サンプル採取とMRI撮像両方の実施終了者を増やし、神経画像所見と遺伝子多型との関連についても検討していくことを計画している。
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Research Products
(2 results)