2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳画像解析と分子遺伝学的解析による強迫性障害の病態研究
Project/Area Number |
22591262
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川嵜 弘詔 九州大学, 医学研究院, 准教授 (50224762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉浦 敬 九州大学, 大学病院, 准教授 (40322747)
中尾 智博 九州大学, 大学病院, 講師 (50423554)
光安 博志 九州大学, 大学病院, 助教 (00533176)
實松 寛普 九州大学, 大学病院, 助教 (30588116)
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Keywords | 強迫性障害 / 神経画像 / 遺伝子 / 症状亜型 / 画像解析 / 中間表現型 |
Research Abstract |
九州大学病院精神科を受診した強迫性障害患者74名(男性28名、女性46名、そのうち平成23年度は59名が追加)に対して血液DNAサンプルの採取を行い、そのうち19名にMRI撮像を行った。また健常者74名(男性28名、女性46名、そのうち平成23年度は59名が追加)に対して血液DNAサンプルの採取を行い、そのうち23名にMRI撮像を行った。セロトニントランスポーター(SERT)遺伝子に関しては2種類(5HTT-LPR、5HTT-VNTR)、ドーパミントランスポーター(DAT)遺伝子(DAT-VNTR)および、ドーパミン受容体D4(DRD4)遺伝子の繰り返し配列多型2種類(D4-120、D4-48)に関して、強迫性障害の患者64名の遺伝子型を実験により決定した。対照者64名も同様に遺伝子型を決定した。年齢、性別、発症年齢、発症年齢が18歳未満か否か、症状タイプ別による分類を行い、遺伝子の多型との相関を調べている。 最終年度は引き続き、強迫性障害患者と健常群のサンプル数を増やしていく。実験を更に進め遺伝子型の決定を急ぐと共に、症状タイプ別、治療反応性、発症年齢等と遺伝子型との関連を検討、解析をしていく。また神経画像所見と遺伝子多型との相関についても検討、解析を行う。 MRI撮像を行ったのは、強迫性障害患者19名(男性9名、女性10名)及び健常者23名(男性9名、女性14名)であった。画像解析のための前処理として、得られた個人データ各々の画像データについて、SPMを用いて解剖学的標準化・平滑化等を行った。最終年度は、目標症例数である、患者50名・健常群50名まで症例を増やすと同時に、患者群と健常群の二群間においてVBM解析による体積比較、DTI画像の比較、症状や環境因子などのデータと画像所見との関連などを検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
候補遺伝子の多型の解析、VBM解析を用いたMRIの形態画像解析および神経心理機能を含む臨床評価についておおむね順調に実施することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は更に症例を増やし、脳画像解析と遺伝子の多型解析を進めていく。 症状亜型や脳画像との相関についても多変量解析を行っていく必要がある。
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Research Products
(5 results)