2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型超高速シーケンサーによる精神疾患の稀少変異仮説へのアプローチ
Project/Area Number |
22591263
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
黒滝 直弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (20423634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 寛樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (50260766)
今村 明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (40325642)
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Keywords | 遺伝子 / マイクロアレイ / 精神疾患 / 稀少変異仮説 |
Research Abstract |
本研究は長崎大学ヒトゲノム・遺伝子解析倫理審査委員会の承認の元で実施された(許可番号0702280108)。現時点では統合失調症の症例9家系及び健常者2家族5名の検体採集を終えた。経験豊富な2人以上の精神科医によってDSM-VI-TRおよびICD-10の診断基準に基づき厳密に診断され、研究の目的や方法についてインフォームドコンセントを1得た。同様に健常者の集積には病院内掲示板、長崎大学内各学部への掲示板等で研究に対するボランティアを募っているが予想外に反響は少ない。いずれの場合もその情報を管理者のもと鍵のかかった金庫に厳重に保管し、個人情報の保護には最大限留意する。対象者から約10mlの採血を行い、フェノール法でDNAを抽出する。検体収集はそれぞれの主治医から連絡を受けた申請者が行った。 DNAマイクロアレイはAffymetrix社のAffymetrix Genome-Wide Human SNP Assay 5.0を使用した。DNAは制限酵素暦spIとStyIで切断した後、アンカーを付加しPCRで増幅してラベリングした後、アレイDNAとの16時間のハイブリダイゼーションを行ってアレイを洗浄した後、Affymetrix GeneChip【○!R】 Scannerでデータを読み取り、ホモ接合となっている領域(IBD)を特定した。ジェノタイピングの生データからホモ接合マッピングを用いて連続したホモ接合領域、(Runs of Homozygosity (ROHs))、すなわち各SNPが連続してホモ接合となっている領域を隠れマルコフモデルを用いたPartek Genome suite ver.6.2で解析し、各罹患者におけるROHsを特定した。同様の解析を非血族婚健常者92名に対して行った。一方、公表されているHapMap3 JPTの日本人のジェノタイピングのデータからROHsのサイズ、数の分布を理論的に求めたところ、我々の健常者のデータとほぼ同一の分布であり、本研究の方法が技術的に適格であることが示された。次に罹患者9名で少なくとも3名以上で重なっている部分を求めたところ染色体1,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,16,17,19,20,21番で重なっていた。この領域に少なくとも我々の解析した9名の疾患に感受性を有する遺伝子が存在する可能性があると考えた。
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Research Products
(20 results)