2010 Fiscal Year Annual Research Report
うつ病治癒機転に関連する転写因子MATH2の標的遺伝子の同定と分子機構の解明
Project/Area Number |
22591268
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
山田 美佐 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・精神薬理研究部, 科研費研究員 (10384182)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 顕宜 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・精神薬理研究部, 室長 (00366832)
高橋 弘 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・精神薬理研究部, 協力研究員 (20415582)
山田 光彦 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・精神薬理研究部, 部長 (60240040)
岩井 孝志 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・精神薬理研究部, 流動研究員 (90339135)
|
Keywords | 抗うつ薬 / 転写因子 / 遺伝子発現 / 情動行動 |
Research Abstract |
これまでに我々は、basic helix-loop-helix(bHLH)型転写因子MATH2が、複数の抗うつ薬の慢性投与によりラット脳内で共通して発現増加するが、単回投与では発現増加が認められないこと、抗精神病薬、躁病治療薬投与では発現変化しないことから、抗うつ薬の奏効機転に特異的に関与する可能性を報告した。またMATH2は、物理的うつ病治療法の電気痙攣負荷においても発現増加することが報告された(Ploski et al., 2006)。これらの結果から、MATH2がうつ病の治癒機転に重要であることが強く示唆される。そこで本研究は、うつ病の治癒メカニズムにおけるMATH2を介する情動行動変化の分子機構(抗うつ薬投与-MATH2-ターゲット遺伝子-機能変化-情動行動変化)を解明することを目的とした。 3年計画の1年目である本年度は、以前にGeneChip法によりMATH2過剰発現大脳皮質初代培養神経細胞において発現変化が認められた46遺伝子(MATH2のターゲット遺伝子)すべてについて特異的プライマーを設計し、real time RT-PCR法により抗うつ薬慢性投与における発現定量を行った。その結果、Prg1、CD69 antigen、G substrate、CLIP associating protein2、adipocyte-specific adhesion molecule、horoidermia、ELAV(HuB)の7種の遺伝子において発現変化が認められた。 次年度以降は、ターゲット遺伝子のプロモーター解析を行うとともに、その機能を明らかにし、実験動物の情動行動への影響を解明する。
|