2011 Fiscal Year Annual Research Report
うつ病治癒機転に関連する転写因子MATH2の標的遺伝子の同定と分子機構の解明
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22591268
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
山田 美佐 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・精神薬理研究部, 科研費研究員 (10384182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 顕宜 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・精神薬理研究部, 室長 (00366832)
山田 光彦 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・精神薬理研究部, 部長 (60240040)
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Keywords | うつ病 / 転写因子 / 情動行動 |
Research Abstract |
これまでに我々は、basic helix-loop-helix(bHLH)型転写因子MATH2が、複数の抗うつ薬の慢性投与によりラット脳内で共通して発現増加するが、単回投与では発現増加が認められないこと、抗精神病薬、躁病治療薬投与では発現変化しないことから、抗うつ薬の奏効機転に特異的に関与する可能性を報告した。またMATH2は、物理的うつ病治療法の電気痙攣負荷においても発現増加することが報告された(Ploski et al.,2006)。これらの結果から、MATH2がうつ病の治癒機転に重要であることが強く示唆される。そこで本研究は、うつ病の治癒メカニズムにおけるMATH2を介する情動行動変化の分子機構(抗うつ薬投与-MATH2-ターゲット遺伝子-機能変化-情動行動変化)を解明することを目的とした。 本年度は、MATH2の標的遺伝子の1つとして同定したPrg1に着目し研究をすすめた。まず、Prg1 siRNAを3種類設計し、培養細胞にトランスフェクション後、real time RT-PCR法によりPrg1の発現量を定量した。その結果、3種類のsiRNAともに発現抑制が認められた。そのなかで、発現抑制効果の高いsiRNAを選定し、この配列のsiRNAを実験動物に導入可能な品質に精製した。今後は、このsiRNAによりPrg1を発現抑制したマウスにおける情動行動変化をテストバッテリーを用いて検討していく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MATH2標的遺伝子のうち、Prg1に着目することを決定し、Prg1のsiRNAを選定することまでできたが、動物に導入する最適条件の決定には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験動物にpositive control siRNAおよびPrg1 siRNAを導入し、最適条件を検討するとともに、情動行動変化を検討する。
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