2012 Fiscal Year Annual Research Report
抗精神病薬シグナル伝達を利用した統合失調症の新たな治療標的分子の開発
Project/Area Number |
22591269
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
服部 功太郎 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所疾病三部, 室長 (50415569)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 統合失調症 / シグナル伝達 / 抗精神病薬 |
Research Abstract |
本研究の目的は抗精神病薬により活性化するFynと下流分子の精神薬理学的機能を明らかにすることである。 前年度までに統合失調症死後脳では健常対照群に比べFynタンパク質の量が有意に増えていることが判明していた。今年度の計画の一つは、本現象を起点に、補強する追加データを求めることとしていた。まずタンパク質の増加にmRNA発現の増加が伴うか否かを調べるため、TaqMan法にてFyn mRNAの発現量を解析した。しかし、疾患群と健常群で発現量の差はみられなかった。次に我々が現在収集を行っている脳脊髄液(CSF)を用いた解析を行うことにした。当初の計画にはなかったものの、既に400検体以上集積し、症状や抗精神病薬投与量との相関の解析も可能であるため、本研究目的に合致していると考えた。CSF中のFynタンパク質の濃度は極めて低く測定が困難であった。一方、Fynの上流分子のうちインターロイキン-6(IL-6)は測定可能でありELISAで解析を行った。健常群と比較し統合失調症群では有意にCSF中IL-6が増加していた。IL-6は血液脳関門を通過し、脳においても視床下部のプロスタグランジン産生など重要な役割を果たすことが知られており、脳におけるFynの活性化や統合失調症脳病態に関わっている可能性があると考えられた。Fynの上流制御因子であるドーパミンの代謝産物、HVAについても統合失調症CSFでは有意に増加していた。このような上流分子の変化からもFynの測定が必須と考えている。最近、高感度測定器が当研究所に導入され、条件検討を行っている。 また、前年度までにリン酸化部位が特定できていなかった、下流分子Bについて今年度もマススペクトメトリーによる解析を試みたが、残念ながら測定に十分な感度を得ることはできなかった。したがって、一方のみで論文投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)