2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト末梢血RNAを用いた電気けいれん療法の作用機序の検討
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22591271
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
菊池 淳宏 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (00400151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古郡 規雄(安井規雄) 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20333734)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 電気けいれん療法 / リエゾン精神医学 |
Research Abstract |
1)遅発性ジスキネジアあるいは遅発性ジストニアを呈する統合失調症あるいはうつ病の18症例を対象に修正型電気けいれん療法(ECT)の有効性を検討した。治療前の不随意運動評価尺度(AIMS)は19.1±4.9であり治療後は9.6±4.4と低下し、統計学的に有意に改善した(p<0.01)。AIMSが半分以下に改善した患者を治療反応と定義すると18人中7人が該当し、反応率は39%と算出することができた。 2)うつ病患者7名と統合失調症患者9名でECT前後に採血を行い、うつ病の病態と関連の深い抹消血中の神経由来栄養因子(BDNF)を測定した。うつ病ではECT後有意に抹消BDNF値が有意(p<0.01)増加したが、統合失調症では抹消BDNF値に変化がなかった。従ってうつ病患者と統合失調症患者ではECTの作用機序が異なる可能性が示された。 3)うつ病患者2名と統合失調症患者10名でECT前後に採血を行い、末梢血RNAを用いてマイクロアレイ解析(Human WG-6 BeadChips)を行い、得られたシグナル値を基にAgilent社のGeneSpring GXを用いて解析を行った。ECTで変化をおこした遺伝子発現の変化を検討し、発現量に有意差(p<0.05)のある遺伝子を1stサンプル(N=6)で184個、2ndサンプル(N=6)で525個抽出した。ECT関連遺伝子との関連を検討したが、有意な遺伝子は見つけられなかった。 4)けいれんに関連する代表的なイオンチャネルであるナトリウム、カリウム、ニコチンイオンチャネルに注目し、それらの代表的な遺伝子多型SCN1AIVS、SCN1A(rs22987)、CHRNB(rs2660)、CHRNB(rs22072)、KCNQ(rs21801)とECTのけいれん時間や耐性の出現頻度を検討したが、いずれも有意な遺伝子多型を検出することはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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