2011 Fiscal Year Annual Research Report
摂食障害に伴う脳高次機能障害の回復可能性に関する研究
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22591283
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 聡 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00456675)
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Keywords | 摂食障害 / 神経性無食欲症 / 神経心理学 / 質問紙 / MRI volumetry / 顔認知 |
Research Abstract |
・当初の計画通り、健常者群のデータ(各種質問紙の回答、脳MRI画像、BMI値などの身体指標、各種神経心理学的検査結果)を平成23年度中に10例追加で採取し、計20例とした。 ・神経性無食欲症患者群のデータについては、低栄養状態において25例をすでに得ている。但し欠損値も混じる。栄養改善後のデータについては、4例にとどまり、今後追加で採取を進める予定である。 ・健常者群と低栄養状態患者群について、二群で各種指標の比較検討を開始している。 ・現在までのところ、神経心理学的指標については、CPT-IP、WCSTで得られる代表的な指標に群間の差はみられず、Stroop試験の一種であるSimontaskにおいて不一致刺激への反応時間に有意差がみられている。これは、神経性無食欲症の患者に臨床場面でしばしば観察される、衝動統制能力の低下を定量的に示すものとして解釈ができる可能性があり、新規かつ重要な所見である。 ・自己を含めた顔画像をコンピュータにより変形させ、痩せた画像-太った画像を提示して、痩せ具合・太り具合を認識させる試験においては、患者群に(1)自己顔を「痩せすぎている」と認知しやすい傾向がみられた。また、(2)他人の顔のやせ具合・太り具合への認知は健常者と違わなかった。これは、自己のボディイメージが崩れているとされる摂食障害の患者群においても、顔のやせ具合への認識は障害されていない可能性を示している。ただし、これについては今後実験手法を洗練させると共に、さらにサンプルサイズを増やして確認する必要がある。 ・質問紙の指標については、患者群において、抑うつ、父母の過干渉の因子が高い傾向がみられ、損害回避・固執・自己志向性の人格傾向が高い傾向が認められた。逆に、父母のケア因子とソーシャルサポートへの満足度については低い傾向が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者群において、低栄養状態でのサンプル数は順調に増えているが、栄養改善後のサンプル数については不十分である。これは、治療経過が進むのに合わせて2回目のサンプルをとるという計画から、やむをえない面があるが、症状改善後の患者へのアプローチが不十分となっていることを反映している。
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Strategy for Future Research Activity |
入院中だけでなく外来通院している患者への研究協力依頼を行い、同意が得られた場合に速やかに外来で検査を思考できる体制を、平成24年度上半期中に構築する。
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Research Products
(1 results)