2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591290
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
山田 茂人 佐賀大学, 医学部, 教授 (20158190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 義人 佐賀大学, 医学部, 講師 (60467892)
國武 裕 佐賀大学, 医学部, 助教 (30404198)
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Keywords | FAB / MMSE / MHPG / 唾液 / 認知機能 / 高齢者 |
Research Abstract |
●過去3年間に渡り佐賀県伊万里市黒川町において老化に関する長期疫学縦断研究を行ってきた。これまでに250人の認知機能検査と頭部MRI撮像を行うと共に生活状況や生活習慣などの調査を済ませ、採血した血漿も保存している。そこで、本年度から3カ年で前方視的に同様の認知機能検査を施行すると共に、保存している試料中のノルアドレナリンの最終代謝産物である唾液中3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol(MHPG)が認知機能の低下要因となるかを検討した。 ●今回250名中147名の追跡調査を行い、3年間のMini Mental State Examination (MMSE), Frontal Assessment Battery (FAB), Beck Depression Inventory (BDI)評点の変化と1回目の唾液中MHPGとの関連を調べた。 ●MMES得点は3年間で有意な差は認められなかった。一方、FAB得点は今回有意に減少していた(t=-3.0,P=0.003)。1回目の唾液中MHPG濃度は同時に測定したFAB得点と有意な相関はなかったが、特に男性において今回測定したFAB得点と有意な逆相関が認められた(r=-0.46,P=0.004)。また3年間のFAB得点差と1回目のMHPGと有意な逆相関が認められた(P=0.004)。今回のFAB得点のカットオフポイントを14/15として、認知機能正常群と低下群にわけて従属変数とし、年齢、性、教育歴、高血圧、糖尿病、アルコール歴、喫煙、MHPGを独立変数としてロジスティック回帰分析を行うと、MHPGのみ有意な相関が認められた(OR 0.87、95%CI 0.80-0.96、P=0.003)。 ●今回の結果から65歳以上の男性高齢者において唾液中MHPG濃度が高いほど3年後の認知機能が低下することが示唆された。
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Research Products
(3 results)