2011 Fiscal Year Annual Research Report
認知症に伴う行動障害と精神症状の神経病理学的基盤の解明
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22591292
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
都甲 崇 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20381501)
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Keywords | 認知症 / 精神症状 / 行動障害 / 神経症状 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)、DLB、前頭側頭型認知症(fromt otemporal dementia:FTD)など様々な変性性認知症のBPSDの特徴を臨床記録より抽出し、その原因となる病理学的背景を明らかにすることである。特に、各々の変性疾患における原因蛋白に注目し、BPSD発現に関与するメカニズムを、免疫組織学的手法を用いて明らかにすることを目的とした。 平成23年度も引き続き、横浜市立大学医学部精神医学教室に保存の剖検脳に加えて、協力施設である東京都精神医学総合研究所、東京都立松沢病院、さわらび会福祉村病院、積愛会横浜舞岡病院の臨床記録から、BPSDを中心とした臨床症状の抽出を順次行った。また、当教室に保存の剖検脳については、既に、臨床症状の抽出と基本的な病理学的な検索が終わっているため、これらの相関についての解析を進めた。さらに、当大学の剖検脳については、TDP-43など、近年新たに認知症の原因蛋白として同定されたものについて、全症例の免疫染色を行い、BPSDとの関連を調べた。 とくに本年は、FTDなどの神経変性疾患の原因蛋白として近年同定されたFUS(fused in sarco ma)の分布を調べ、結果をまとめて報告した。FUSはシナプスに存在し、シナプス機能の低下を介して神経変性疾患の症状発現に関与していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに、Nasu-Hakola病の灰白質病変と精神症状に関する研究やFUSの分布に関する研究など、いくつかの研究テーマについて、その結果をまとめ学会と論文で発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
神経変性疾患の症状発現に関与する蛋白質として本研究開始時より明らかになっていたものに加えて、研究開始後に明らかになったものについても、本研究の中で実験を進めていく。本研究で用いる中心的な実験手法は免疫組織化学であるが、脳内での蛋白質の有無や局在を免疫組織化学で確認するためには抗体が必要である。抗体の作成には時間を要することがあり、これが問題点として挙げられるが、可能な限り迅速な作成を進めていく。
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Research Products
(3 results)