2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳形態と拡散テンソル画像によるアルツハイマー病の精神症状出現予測の検討
Project/Area Number |
22591293
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
仲秋 秀太郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (80315879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 俊哉 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30335286)
宮田 淳 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90549099)
三村 將 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00190728)
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Keywords | 認知症 / 精神症状 / 脳形態画像 / VBM / 高次脳機能 / 拡散テンソル画像 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の精神症状は介護者に大きな負担を与えるが、精神症状の脆弱性と関連した発現機序は不明である。そこで、幻覚や妄想などの精神症状が発現していないアルツハイマー病患者を追跡し、ベースライン時の頭部MRI画像の脳形態画像と拡散テンソル画像の情報、高次脳機能および患者の心理社会的な背景などを複合的に検討し、精神症状が出現した患者としなかった患者との差異を検討することが本研究の目的である。(方法)適格基準(ベースラインで精神症状が併発していない)をみたすアルツハイマー病患者に以下の評価をおこない、追跡調査をおこなう。評価方法はベースラインにて、以下の検査を実施する。1.臨床症状と高次脳機能の評価 精神症状の評価はNeuropsychiatry Inventory(NPI)を施行。Mini-MentalStateExamination(MMSE)と日本語版Alzheimer'sDiseaseAssessmentScale-CognitionJapaneseversion(ADAS-J cog)、FrontalAssessmentBattery(FAB)などの高次脳機能は言語療法士が施行する。2.頭部MRI画像 名古屋市立大学放射線科MRI室にて、全脳をカバーする3次元収集T1強調画像、T2強調画像、拡散強調傾斜磁場をかけた拡散テンソル画像の撮影を行う。縦断的評価はベースラインの時点から、半年ごとに、NPIと高次脳機能を測定する。なお、NPIの妄想、幻覚のいずれかの項目が4点以上になった時点を、精神症状の出現と判断する。(結果)平成23年度までに32人の患者が適格基準をみたし、そのうち縦断的な評価にて10人の患者に妄想の精神症状の出現を認めた。頭部MRIでのVBMによる解析では、精神症状の出現したアルツハイマー病患者では、出現しなかった患者に比較して、前頭葉眼窩部と内側面、島などの灰白質体積が有意に減少していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定していたサンプル数にほぼ到達しており、その画像解析や高次脳機能解析も施行された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、他の画像解析(拡散テンソル画像)なども施行し、本研究で得られた成果を国内外学会や海外の学術論文にて発表し、国内外に本研究の意義と成果を発表する予定である。
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Research Products
(6 results)