2010 Fiscal Year Annual Research Report
アットリスク精神状態の介入指標の確立と病態解明を目指す縦断的TMS-NIRS研究
Project/Area Number |
22591295
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
辻 富基美 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10347586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 和弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40215984)
鵜飼 聡 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80324763)
小瀬 朝海 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10405425)
上山 栄子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40405444)
山本 眞弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80423937)
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Keywords | 反復経頭蓋磁気刺激 / NIRS(near-infrared spectroscopy) / DTI(diffusion tensor imaging) / ARMS(at risk mental state) / 統合失調症 / 上側頭回(suerior temporal gyrus ; STG) |
Research Abstract |
本研究では、以下の2点を目指す。1)上側頭回の磁気刺激による血流変化を指標として、ARMS群を統合失調症への移行群と非移行群に高い精度で分離・予測できるかを検討する。2)上側頭回の磁気刺激による血流変化とDTIでの弓状束のFA値を顕在発症前から縦断的に測定することにより、統合失調症の発症における上側頭回の機能障害と前頭葉へのconnectivityの障害を検討する。 本年度は予備的研究として、慢性耳鳴のrTMS治療による脳血流およびGABAergic inhibitionの変化を検討するため、治療前後で脳血流SPCET(single photon emission computed tomography)とppTMSの皮質内抑制を測定した。これにより、磁気刺激刺激によるGABAergic inhibitionの変化の変化、SPECTによる脳血流変化を検討した。 研究結果は、侵性耳鳴患者に対し、磁気刺激(刺激頻度1Hz60秒、刺激間欠時間60秒、刺激回数1200発/日、刺激期間週5日×6週、刺激強度110%運動閾値、刺激部位左上側頭回後部(Brodmann41野、42野))を行った結果、ピッチマッチ検査3000Hz→4000Hz、ラウドネスバランスにて50dB→35dBと客観的評価は改善した。 SPECTによる脳血流では治療前に、両側の側頭葉、角回、縁上回、右頭頂葉、左後頭葉の血流上昇が治療後、同部位の血流正常化した。TMSによる電気生理学検査では治療前、皮質内抑制が減弱していたが、治療後に正常化した。 この意義は、耳鳴に対するrTMS治療効果に脳血流変化及びGABAergic inhibitionの正常化が関与している可能性が示唆された。治療効果の機序として皮質内抑制(GABAergic inhibition)の増強が関与している可能性がある。
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Research Products
(4 results)