2011 Fiscal Year Annual Research Report
認知症と高次脳機能障害における運転能力の総合的評価
Project/Area Number |
22591298
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三村 將 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00190728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深津 玲子 国立障害者リハビリテーションセンター, 研究所, 部長 (00450429)
仲秋 秀太郎 名古屋市立大学, 医学部, 研究員 (80315879)
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Keywords | 運転 / 軽度認知障害 / アルツハイマー病 / リハビリテーション / 有効視野 / 視覚性注意 / 高次脳機能障害 / 認知症 |
Research Abstract |
本研究では、自動車免許を保有している認知症ないし軽度認知障害患者、高次脳機能障害者、健常高齢者を対象として、運転状況に関する質問表、神経心理学的検査を行うとともに、教習所ないし施設内、あるいは路上の自動車走行コースにて実車による評価を実施し、その運転安全性を判断する指標を確立する。 2年目の平成23年度は、研究代表者の三村の慶應義塾大学への異動に伴い、昭和大学に設置した機材である運転シュミレータおよび光トポグラフィ検査は継続使用困難となった。したがって、平成23年度は開発中の有効視野計測課題(VFIT)の整備、VFIT成績と他の神経心理学的検査との関連の検討、さらにVFIT成績と実車評価成績との関連の検討を行った。 まず、開発したVFITを若年免許所持者15名(平均26.6歳)と高齢免許所持者6名(平均65.8歳)に試用したところ、若年者に比べ高齢者は正解率が低く、有効視野は加齢で狭くなる傾向がみられた。さらに、高齢者では通常のVFITは難度が高いため、高齢者用VFIT(VFIT-EV)を作成した。4名の高齢者を対象にVFITとVFIT-EVの両方を実施し、VFIT-EVが有用であることを確認した上で、高齢者20名を対象にVFIT-EVと神経心理学的検査、実車評価を実施した。その結果、ミニメンタルステート検査(MMSE)による全般的認知機能成績が低い者はVFITの誤警報数が多いこと、VFITの正解率が低い者は実車得点も低いことが明らかとなった。 今後は健常高齢ドライバーのデータを集積するとともに、軽度認知症患者および高次脳機能障害者の運転安全性に関するデータを収集していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の三村の異動に伴い、研究計画の一部変更を要した。また、健常高齢者についてはおおむね順調に進んでいるが、臨床施設の変更に伴い、新たな患者群のエントリに時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の異動先である慶應義塾大学病院において、新たに軽度認知症および高次脳機能障害の患者のエントリを進めていく予定である。なお、慶應義塾大学においてもあらたに光トポグラフィ装置を購入した。さらに、昭和大学に設置してある運転シュミレータ(AC110,Teddy)は慶應義塾大学病院に移設する予定であり、これらの器材の使用も可能な状況となっている。
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Research Products
(9 results)