2011 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の治療臨界期における認知機能訓練の意義と介入手法の検討
Project/Area Number |
22591300
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
根本 隆洋 東邦大学, 医学部, 准教授 (20296693)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 雅文 東邦大学, 医学部, 教授 (80245589)
|
Keywords | 精神医学 / 統合失調症 / 認知機能 / リハビリテーション / 社会機能 / 発散的思考 / 社会認知 |
Research Abstract |
【1.目的】近年、統合失調症の長期的転帰に多大な影響を及ぼす社会機能障害への取り組みは、早期介入に主眼が置かれるようになった。一方、社会機能の改善を目指した治療手法として、認知機能リハビリテーションが注目されている。本研究の目的は、統合失調症の長期的転帰を決定づける、発症5年以内といわれる治療臨界期(critical period)における、認知機能訓練の重要性と、有効な訓練の内容と手法を明らかにすることである。 【2.対象】東邦大学医療センター大森病院精神神経科(大田区)およびあさかホスピタル(郡山市)に通院する40歳以下の患者で、統合失調症圏と診断され発症5年以内の者を治療臨界期内群、罹病期間が5年以上の者を慢性期群、精神病発症危険状態と診断された者をARMS(at-risk mental state)群とした。 【3.認知機能訓練プログラムの実施】基本的な認知機能の訓練課題に加えて、社会的な認知機能に関わる題材も取り入れた、24週にわたるワークブック形式の認知機能訓練プログラムを2種類(発散的思考を標的としたものと、収束的思考を標的としたもの)作成した。そして、各群内で2つの訓練プログラムにランダムに割り付けた、計6群によるRCTを開始した。 【4.評価】プログラム開始前(0週)、中間点(12週)、終了時(24週)に、認知機能、精神症状、社会機能、QOLなどの評価を行っている。また、訓練効果の持続性を検討するため、訓練終了12週後および24週後にも同様の評価を継続している。 【5.結果】平成23年度までに、計94名が認知機能訓練プログラムに登録し、継続的評価を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究参加者登録、認知機能訓練実施状況、継続的評価において、概ね予定通りに進展しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、認知機能訓練の実施および継続的評価を行っていく。また、各群における認知機能訓練の効果の差異を統計学的に解析し、それぞれの病期に有用な訓練手法を検討する。
|