2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経メラニンMRIを用いた難治性うつ病のドパミン、ノルアドレナリン機能評価研究
Project/Area Number |
22591303
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
舘野 周 日本医科大学, 医学部, 講師 (50297917)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 善朗 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20213663)
|
Keywords | 脳・神経 / うつ病 / MRI / 神経メラニン |
Research Abstract |
本研究は、初発および難治性うつ病患者および健常者を対象として、脳内カテコールアミンを評価する手法として神経メラニンMRI検査とPET検査を実施することで、うつ病発症におけるシナプス前での脳内カテコールアミン機能の評価と、難治性うつ病の病態としての脳内カテコールアミン機能の変化を評価することを目標とし、更に治療経過を前方視的に追跡することで、治療効果による変化を評価することを目的としている。 そこで、今年度は、昨年度に引き続き3テスラMRIを用いてうつ病発症における役割を評価するために、薬剤抵抗性うつ病を中心としたうつ病患者、比較対象として健常者、疾患対照群の神経メラニンMRI画像を撮像することとした。うつ病患者13名、双極性障害患者3名を本年度撮像した。昨年度との合計でうつ病患者19名、双極性障害5名、健常対照者19名の神経メラニン画像を比較検討した。うつ病患者の青斑核においてうつ病患者群は健常対照群と比較して有意(p<0.005)に低下していた。黒質での比較では有意差を認めなかった。双極性障害は健常対照群、うつ病患者群と有意差は示さなかった。ドパミン神経系の評価としてPET画像と神経メラニン画像の検討において、[11C]racloprideで線条体におけるドパミンD2受容体結合能(N=14)、[18F]FE PE2Iで線条体におけるドパミントランスポーター結合能(N=9)と比較検討をした。黒質における神経メラニン画像と線条体におけるドパミンD2受容体結合能とは相関はなかったが、線条体におけるドパミントランスポーター結合能とは相関している可能性(R=0.57,P=0.11)が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ドパミントランスポーターを評価するPET検査の妥当性評価のために健常対照群を優先して撮像しているため、本来予定している難治性うつ病患者に対して、本年度は実施する事が出来なかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
神経メラニン画像に関しては研究推進体制が円滑に機能しているため、引き続き症例数を増やしていきたい。PET検査に関しても撮像体制が本年度で確立されたと考えるため、次年度に関しては、うつ病症例数を増やしていきたいと考えている。併せて健常対照群に関しても計15名を目標に検査を実施したいと考えている。
|
Research Products
(1 results)