2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591305
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
吉村 匡史 関西医科大学, 医学部, 講師 (10351553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 利彦 関西医科大学, 医学部, 教授 (20186290)
西田 圭一郎 関西医科大学, 医学部, 助教 (40567567)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 統合失調症 / functional connectivity / 定量脳波学 / 薬物脳波学 / アリピプラゾール / 抗精神病薬 / sLORETA |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】抗精神病薬アリピプラゾール(APZ)による治療が統合失調症患者のfunctional connectivity(脳内機能的連結)に及ぼす影響を、治療前後の安静時脳波にて検討した。【方法】4名(症例A-D;各々36歳、36歳、29歳、63歳)の未治療妄想型統合失調症(DSM-IV-TR)患者に対してAPZを主剤として治療した。投与前と投与開始約4週間後に、頭皮上19電極から安静閉眼時脳波を約5分間記録した。各脳波記録から計40秒間を抽出し解析した。解析にはsLORETAを用い、脳内機能的連結(lagged connectivity)を7周波数帯域(δ-β3)ごとに11か所の関心領域間で算出し、治療前後の脳内機能的連結の変化を検討した。【結果】APZ投与後、症例A-DのPANSS総得点低下率はそれぞれ53%、13%、11%、9%であった。δ帯域での機能的連結の変化として、症例Aでは治療前は後方の関心領域を含む複数箇所の間の機能的連結を認めたが、治療後には同部位を含んだ機能的連結は顕著に減少していた。症例Bでは、治療前は複数の関心領域間で多くの機能的連結を認めたが、治療後は減少していた。症例Cでは、治療前後ともに多くの機能的連結を認めた。症例Dでは治療後に機能的連結の増加を認めた。【考察】著効例において後方の関心領域を含んだ機能的連結(δ帯域)が治療後に消失していた。 δ帯域の機能的連結の増加は神経活動の不調和を示唆する。脳の後方で統合失調症の病態と関連が指摘される部位として下頭頂小葉(IPL)が挙げられる。IPLは統合失調症の身体感覚の統合・自我意識に関連しており、著効例での後方を含んだ機能的連結消失は、統合失調症の病態へのIPLの関与を示唆する。症例Dでの治療後の機能的連結の増加は、改善に乏しかったこと、高齢であったことが機能的連結の増加に関与していた可能性がある。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)