2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591316
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
阿部 修 日本大学, 医学部, 教授 (50302716)
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Keywords | 中枢神経 / 皮質厚 / 皮質容積 / ボクセルベース解析 |
Research Abstract |
本年度はMRIにおける信号値不均一・歪み補正の大脳皮質厚への影響をvoxel-baseに検討した。対象はファントムおよび本年度撮像を行った正常ボランティア女性21名、男性25名(29.9±4.4歳、23-40歳)である。ファントムでは1.5テスラMRI装置(Signa EXCITE,version12.0)および3テスラMRI装置(SignaHDx,version 14.0,GE Healthcare)を用いて、矢状断および水平断ベースの3D-fast-spoiled-grass(3DFSPGR)画像を撮像し、補正前後の画像を視覚的に評価した。健常ボランティアでは3テスラMRI装置および頭部用8chコイルで撮像された水平断3DFSPGR画像をリナックスPCに転送後、信号値・歪み補正前後の画像をvoxel-baseに群間比較した。歪み補正にはGradient Non-Linearity Distortion Correction Softwareを用いて、傾斜磁場非線形性から規定される画像歪みをunwarpした。その後N3softwareを用いて信号値不均一補正を行った。大脳皮質厚測定にはリナックスPC上で稼働するFreeSurfer(バージョン4.3)を用いて、大脳皮質厚を測定、半値幅10mmで平滑化後、年齢・性別を共変量とした対応のある2標本のt検定を行い、FDR法による多重比較補正後、P<0.05のボクセルを有するクラスタを有意とした。その結果、ファントムでは矢状断・水平断いずれの撮像でも中心から離れるほど画像が歪むことが視覚的に確認可能であったが、矢状断ベース撮像の方がその影響は大きかった。健常ボランティアの補正前後画像のvoxel-base解析では有意な皮質厚差は観測されなかった。MR撮像では、特に矢状断ベースの撮像で辺縁部の画像歪みが大きいものの、水平断ベースの撮像では大脳皮質厚測定には有意な影響を与えない可能性が今回の結果では示唆された。ただし大脳皮質厚を規定する画像を確認したところ、脳表・皮質白質境界が視覚的に誤った部分が見られており、自動抽出による限界が予想され、さらなるソフトウエアの修正・部分的には手動による境界の補正などが必要であると考えられ、これらは次年度以降に解決すべき課題とした。
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Research Products
(4 results)