2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591316
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
阿部 修 日本大学, 医学部, 教授 (50302716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雫石 崇 日本大学, 医学部, 助手 (30570741)
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Keywords | 中枢神経 / 皮質厚 / 皮質容積 / ボクセルベース解析 |
Research Abstract |
昨年度の検討において傾斜磁場非線形性および信号値不均一を補正することにより、矢状断撮像よりも水平断撮像の方が画像歪みの影響が少ないこと、及び上記補正の有効性をファントムにおいて確認し、statistical parametric mapping(SPM)によるVBM法を用いた検討では生体撮像においても有意な好影響があることを確認したが、FreeSuferを用いた皮質厚の検討では有意差が得られなかった。FreeSurferによって処理を行った生体画像では脳表・皮髄境界に抽出エラーが視覚的に確認可能であったことから、他の脳表抽出解析ソフトウエアを用いて皮質厚へ影響の有無について昨年度よりも症例数を増やして検討した。対象はファントムおよび正常ボランティア女性28名、男性31名(29,1±4.5歳、21-40歳)である。昨年度の結果を踏まえて水平断ベースの3D-FSPGR画像を撮像後、リナックスPCに転送、信号値・歪み補正前後の画像をvoxel-baseに対応のある2群問比較を行った。歪み補正には昨年度同様、Gradient Non-Linearity Distortion Correction So Rware(grad_unwarp)を、信号値不均一補正にはN3 softwareを用いた。脳表抽出にはリナックスPC上で稼働するFSL(version4.1)のツールの一つであるSIENAを用いて、半値幅5mmで平滑化後、年齢・性別を共変量とした対応のある2標本の並べ替え検定を50000回反復し、FWE法による多重比較補正後、P<0.05のボクセルを有するクラスタを有意とした。その結果、補正前後画像のSIENA解析では補正後画像において前頭葉底部に有意な対称性脳表拡大が観測された。この結果はSPMを用いた過去のVBM解析結果と一致しており、前述したgrad-unwarpおよびN3による画像補正が皮質厚および容積に有意な影響を与えることを示唆している。最終年度である来年度は形態抽出エラーが認められるFreeSuferアルゴリズムの最適化および部分的には手動による脳表・皮髄境界抽出の補正を試みるとともに、新たな皮質厚解析ソフトウエアの開発と解析を行い、多施設共同研究や縦断的研究を念頭に置いた最適な皮質厚解析におけるフレームワークを提案するとともに、最終的な容積データとの比較検討を行う予定とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主たる研究目的である皮質厚と容積データの生体画像における比較において、ファントム結果から予想されたとおり、画像歪み・信号値不均一補正の重要性と、容積・皮質厚のほぼ同様な補正効果が現時点で得られている。今後皮質厚測定にはさらなる洗練が必要であると考えているが、解析手法の大まかなロードマップは確立されており、来年度において研究目標である皮質厚と容積データの比較に一定の結論が導けるものと考えているから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後既存の皮質厚測定ツールの最適化を行うとともに、新たな皮質厚解析ソフトウエアを用いて得られた画像補正効果の検討を行い、標準的解析手法を確立する。このフレームワークを用いて皮質厚と皮質容積の解析結果に乖離があるのか、無いのかに関して今後検討していく予定である。研究ゴールは越えてしまうが、本研究結果を踏まえて多施設共同研究や縦断的皮質厚研究を今後進めていく場合の標準手法を広く提案して行く。また現時点での研究進捗状況はほぼ計画通りであり、研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点は現時点では認められていない。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Posterior hypoperfusion in Parkinson's disease With and without dementia measured with arterial spin labeling MRI2011
Author(s)
K.Kamagata, Y.Motoi, M.Hori, M.Suzuki, A.Nakanishi, K.Shimoji, S.Kyougoku, R.Kuwatsuru, K.Sasai, O.Abe, et al
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Journal Title
J Magn Reson Imaging
Volume: 33
Pages: 803-7
DOI
Peer Reviewed
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