2012 Fiscal Year Annual Research Report
MRI大脳白質病変より神経症状を予測する数理統計学的方法論の確立
Project/Area Number |
22591318
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
寺島 健史 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (00377160)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 磁気共鳴スペクトロスコピー / MRS / 拡散テンソルイメージング / DTI / 白質脳症 / 脳機能解析 / 一酸化炭素中毒 / 遅発性脳症 |
Research Abstract |
大脳白質病変は認知機能障害をはじめ様々な神経症状と関連があることが明らかになってきているが,その発現機序には未だ不明な点が多い。可視的な白質病変を客観的に定量評価し,加えて通常の画像検査では捉えられない微細構造や代謝状態の変化をも勘案して診断する手法が確立していないのがその一因であると考えられる。本研究では,大脳白質病変分布パターンのコンピュータ・プログラムによる特徴抽出と,新しいMRI撮像法による解析結果を統合し,数理統計学的に臨床症状を予測する新しい方法論を確立することを目的としている。 本年は,一酸化炭素(CO)中毒後の遅発性脳症における白質病変について,プロトンMRスペクトロスコピー(1H-MRS)および拡散テンソルイメージング(DTI)を用いて経時的に解析を行い,臨床症状との相関および高気圧酸素療法(HBO)の治療効果について検討を行った。 患者9名(平均:49.4+/-14.4歳)を対象に1H-MRS/DTIを用いた白質病変の経時的定量評価により,白質障害の悪化ないしは回復が認められなくなったと判断されるまで,2.8気圧60分のHBOを1日1回週5回継続した。同時に知能評価テスト(改訂長谷川式簡易知能スケール,Mini-mental state examination,ウェクスラー成人知能検査改訂版)を経時的に実施し,臨床症状の改善の有無を評価した。 その結果,HBOの施行回数は20回-71回(平均:53+/-18回)だった。全患者で,1H-MRS/DTIによる白質障害の改善および知能評価テストスコアの改善が認められ,1H-MRS/DTIによる本分析法がHBOの治療効果判定に有用であることが明らかとなった。また,本研究の結果からは,CO中毒後遅発性脳症に対するHBOの有効性が強く示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)