2010 Fiscal Year Annual Research Report
疾患リスクを基盤とする心画像診断体系の構築に関する研究
Project/Area Number |
22591320
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中嶋 憲一 金沢大学, 医学系, 准教授 (00167545)
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Keywords | 虚血性心疾患 / 心血管イメージング / 心臓核医学 / 疾患リスク / 多施設研究 |
Research Abstract |
心臓イメージングに基づくリスクによる診断体系確立(Risk-based approachの考え方)のための準備として、(1)心機能に関連する日本人標準作成とソフトウェアの開発環境整備、(2)多施設研究の立案と開始を初年度の目標として掲げた。 このうち、第1項の日本人標準に関しては筆者により執筆された「日本人における心筋血流と脂肪酸代謝および交感神経イメージングの正常値(原題英語)」(Ann Nucl Med 2010; 24:125-135)を元に、標準値の公開と改訂を行った。また、標準化のためのソフトウェア開発においては、心筋血流の異常スコアリングの精度を改善させた定量ソフトを作成した。また、交感神経イメージングのMIBG検査においては施設間の定量のばらつきが大きく標準データが作りにくいという状態を克服するために、心筋校正ファントムを作成および改良し、施設間の差異を修正できるように検討した。このための自動関心領域設定ソフトウェアは今年度に完成しており心臓核医学英文誌に公開した。 第2項の多施設研究に関しては、J-ACCESS多施設研究のデータベースを元に、リスク推定のためのソフトウェアと心筋欠損定量のためのソフトウェアの統合によるリスク推定への効果を検討し、リスク予測が安定してできることが明らかになった。 また、北陸地区における予後評価研究(UMIN000001823北陸地区虚血性心疾患予後調査:心事故発生確率の精度検証に関する前向き調査、APPROACH研究)を開始したが、現在症例の蓄積を継続しており、一部の症例では予後調査の段階に入っている。
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Research Products
(11 results)