Research Abstract |
心筋画像専用の画像精度管理および画像標準化を目的に,画像評価用心筋ファントムの構築および各施設で撮像したこれらの画像を同一画像解析プログラムで視覚的・定量的評価を行なうことで,基準画像の作成と同時に画像を構築する技師(技術者)や医師の技術氷準の向上が可能となると考え,本研究を計画した。 平成22年度は画像評価用心筋ファントムの構築に着手した。本心筋ファントムは内容器と外容器から成り,胸部を想定した外容器に心筋を想定した内容器を人体の心臓と同様,左前部分に挿入した。外容器は長径300mm,短径220mm,高さ223mmの楕円形透明アクリル製であり,一方の底面には内容器の挿入および水溶液の注入ができる開口部を,開口部のふたには気泡を排除するための空気だめを備えた。内部には心筋部以外に肺,縦隔および骨と同じ吸収値を持つタフラング,タフウォーター,タフボーンの物質を封入している。内容器は感度測定用と空間分解能測定用から成り,外容器内の所定の位置へ正確に装着でき,容易に着脱できる構造とした。感度測定用は心筋部欠損の深さの測定を目的とし,欠損部のアクリルの深さは10,7.5,5,2.5mmの4段階を配置し,高さ30mm広さは20mmとした。空間分解能測定用は心筋部欠損の広さの測定を目的とし,欠損のアクリルの広さは5,10,15,20mmの4段階を配置し,高さは30mm,深さは10mmとした。この欠損の広さと深さは対照に配置しており,前壁と下壁または側壁と中隔壁の比較が可能となる。
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