2010 Fiscal Year Annual Research Report
新世代PETにおける腫瘍内集積不均一と生物学的要因・治療効果との関連に関する研究
Project/Area Number |
22591331
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
巽 光朗 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (60397700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 泰和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60397643)
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Keywords | PET / 腫瘍 / 不均一 |
Research Abstract |
本研究の目的は、分解能の向上した最近のpositron emission tomography (PEI)装置でしばしば観察される、腫瘍内部における放射性薬剤の集積の不均一性に着目し、その生物学的要因を明らかにすることである。 初年度である本年は、先ずPET画像における腫瘍内集積不均一の評価方法を検討した。即ち、腫瘍内での放射性薬剤の集積の分布およびその程度を、視覚的のみならず定量的に評価する方法を考案した。PFT画像上の腫瘍における数値データの変動係数や中心・辺縁比などを用いることで、視覚的評価の客観的な補助となる定量的評価が比較的簡便に行える可能性か明らかとなった。そのため、その評価法が、日常のPET診療でしばしば鑑別が問題となる腹部腫瘤、悪性リンパ腫と消化管間質腫瘍の診断に有用であるか否かを検討じた。PET画像における視覚的評価では、悪性リンパ腫は比較的均一な腫瘍内集積を示すのに対し、消化管間質腫瘍における集積は辺縁部優位の不均一なものであった。定量的評価では変動係数は有意に消化管間質腫瘍が高く、また中心・辺縁比も消化管間質腫瘍が有意に低く、視覚的評価と合致する結果となった。これらの結果については、2010年の米国核医学会で報告した。同様の評価法を用いて子宮頸癌および体癌についても検討を行い、来年度に学会報告の予定となっている(2011年、日本医学放射線学会)。さらに詳細に、腫瘍を楕円球体と見立てて集積のばらつきを解析する評価法についても、現在実用性について検討中である。
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