2011 Fiscal Year Annual Research Report
新世代PETにおける腫瘍内集積不均一と生物学的要因・治療効果との関連に関する研究
Project/Area Number |
22591331
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
巽 光朗 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (60397700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 泰和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60397643)
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Keywords | PET / 腫瘍 / 不均一 |
Research Abstract |
本研究の目的は、分解能の向上した最近のpositron emission tomography (PET)装置でしばしば観察される、腫瘍内部における放射性薬剤の集積の不均一性に着目し、その生物学的要因を明らかにすることである。 F-18 FDG PET画像における腫瘍内集積不均一の定量的評価法は、初年度平成22年度に考案し、以後用いている。平成23年度には、この方法がいずれも腹部の大きな腫瘤として発見される悪性リンパ腫と消化管間質腫瘍の鑑別に有用であることを報告した。具体的には、PET画像における視覚的評価では、悪性リンパ腫は比較的均一な腫瘍内集積を示すのに対し、消化管間質腫瘍における集積は辺縁部優位の不均一なものであった。腫瘍内集積カウントのヒストグラムや変動係数、中心・辺縁比などによる定量的評価でも消化管間質腫瘍の不均一性は示され、これらの結果は論文として報告した(Annals of Nuclear Medicine, 2011 Dec 21.[Epub ahead of print])。 子宮頸癌および体癌についても評価を行い、F-18 FDG集積の程度や病変サイズが同等であっても、体癌では頸癌よりも腫瘍内の集積が不均一であることが明らかとなった(日本医学放射線学会総会にて発表)。さらに、肺癌や食道癌では、同一患者における化学療法前・後のデータから、腫瘍内集積不均一の変化や治療効果との関連について解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
評価手法に関して、既に論文や学会発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
肺癌や食道癌では、腫瘍内集積不均一の化学療法における意義を求め、可能な例では摘出腫瘍との比較を行い、生物学的要因検索の一助とする。 F-18 FDG以外の、特に低酸素をターゲットとした放射性薬剤を用い、腫瘍内不均一を評価する。
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Research Products
(2 results)