2011 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍内アポトーシス発現の定量的評価のための新しい分子画像化技術の確立
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22591335
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒田 昌宏 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (50225306)
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Keywords | アポトーシス / MR / ADC / 拡散強調画像 |
Research Abstract |
1)我々の開発した新しいADC標準ファントムを用いて、培養細胞を臨床装置を用いて画像化する撮像法につき、基礎的な検討を行った。ADC標準ファントムとして、Polyethylene glycolと蒸留水を用いた。標準ファントムのADC値と比較し、細胞を入れたバイオファントムにおいて幅広い範囲のADC値が正確に測定できる撮像条件として、b値を500s/mm2以下に設定する必要があることが明らかにし、この研究成果について論文作成中である。 2)我々が新規開発したバイオファントムを用いて、細胞密度とADC値の変化との関係およびそのメカニズムについて検討した。細胞株にはJurkat-Nlを用いた。細胞密度の増加に対応して、ADC値は低下した。細胞間空間が一定以下に低下した際には、ADC値に細胞外空間の水分子の抑制が影響を及ぼすことが明らかとなった。我々の開発したバイオファントムを用いて、細胞レベルでADC値を検討する方法は、臨床画像での腫瘍のADC値の変化を推測するための有用な手法であることを確認した。この研究結果について論文作成中である。 3)我々が新規開発したバイオファントムを用いて、細胞密度とADC値の変化との関係およびそのメカニズムについて検討した。細胞株にはRamosを用いた。アポトーシス誘導時には、細胞の形態変化とともに、ADC値が変動することが明らかとなった。この研究結果について論文作成し、Acta Med Okayamaに投稿し、acceptされ、掲載待ちである。 4)新しい3T MR装置を用いて、各種ADC標準ファントムの撮像を行い、3T MR装置の有用性を検討した。1.5TMRI装置に比して、3T MR装置と比して、位相方向のアーチファクトが強く、バイオファントムの正確なADC値の新たな測定法について検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的に沿った成果の一部がすでに、論文投稿の形でアクセプトされている(掲載待ち)。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床で導入が進んでいる、新しい3T MR装置を用いて、その利点を生かして、有用性を検討してゆく。1.5T MRI装置に比して、3T MR装置と比して、位相方向のアーチファクトが強くなるという、新たな問題点も明らかとなっており、バイオファントムの正確なADC値の新たな測定法について検討を行ってゆく。
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