2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工股関節術後に生じる骨盤側骨萎縮に対するCTを用いた研究
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22591336
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
江川 洋史 徳島大学, 病院, 講師 (20359912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 大輔 徳島大学, 病院, 特任助教 (90380097)
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Keywords | 人工股関節 / 骨萎縮 / CT |
Research Abstract |
本研究の目的は、人工股関節全置換術後の骨盤側インプラント(カップ)に隣接する骨盤海綿骨密度を定量的CT法により評価し、人工股関節置換術後の重大な合併症であるインプラントのゆるみや骨溶解現象(オステオライシス)の原因となりうる骨盤骨萎縮(ストレスシールディング)現象の実態を明らかにすることである。申請者はカップ周囲の骨盤骨萎縮の詳細を明らかにするためには、骨盤の海綿骨密度と皮質骨密度を分離して測定することが必要であると考えている。単純X線やDEXA法による評価ではなく、定量的CTを利用した方法が最も適していると考えている。本研究では当院でセメントレス人工股関節置換術を行った患者群のCTデータを解析してカップ周囲の骨盤骨萎縮について定量的に評価を行っている。研究は当院で人工股関節置換術を受ける患者が標準的に行っているCT検査データ(手術前計画及び手術後の精度評価)を利用して行うものである。 CT撮影時に、5本のアパタイト円柱を有する骨密度測定用ファントム(富士レビオ社製)を患者の背側に設置し、骨盤部と同時に撮影を行っている。撮像されたCTデータはダイコム規格データとして、画像解析ソフトAnalyze softwareに取り込み、骨ファントムで標準化して骨密度を計算する。昨年より骨ファントムをCT装置内に設置して患者CTの撮像を継続しているが、当初の予定数の撮像を行えていない。手術に際しては、カップ固定のためにスクリューの追加を余儀なくされることがあり、スクリューの長さや方向によっては、金属アーチファクトのために骨密度の測定が不可能であることもある。今後も継続して手術前後のCT撮影を行い、カップ周辺の骨密度の測定を行うとともに、術後1、2年時のCT撮影時には、オステオライシスの有無の評価も行う。
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