2012 Fiscal Year Annual Research Report
人工股関節術後に生じる骨盤側骨萎縮に対するCTを用いた研究
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22591336
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
江川 洋史 徳島大学, 大学病院, 講師 (20359912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
油形 公則 徳島大学, 大学病院, 助教 (40564430)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 人工股関節 / 骨萎縮 / CT |
Research Abstract |
本研究の目的は人工股関節全置換術(THA)後の骨盤側インプラント(カップ)に隣接する骨盤海綿骨密度の継時的な変化を定量的CT(qCT)法により評価し、THA後の重大な合併症であるインプラントのゆるみや骨溶解現象(osteolysis)の原因となりうる骨盤骨萎縮(stress shielding)現象の実態を明らかにすることである。3次元的に複雑な形態かつ、海綿骨と骨皮質が混在した骨盤海綿骨密度の評価は、単純X線やDXA法による計測ではなくqCTを利用しなければ不可能と考える。 研究は当施設でセメントレスTHAを行った患者群のCTデータを解析して、カップ頭側の骨盤骨萎縮の継時的、定量的評価を行った。研究は当施設でTHAを受ける患者に対して診療のために標準的に行っているCT検査データを利用して行った。CT撮影時に骨密度測定用ファントムを患者の骨盤部と同時に撮像し、画像解析ソフトAnalyze softwareに取り込んだ。そして、骨ファントム値でキャリブレーションを行い、関心領域の骨密度を算出した。通常、CT画像は撮影の度に骨盤傾斜や回旋が異なるために、継時的に毎回同一部位を正確に比較検討することが不可能である。本研究では骨盤の3次元的マッチングを行うことにより、毎回同一部位の計測を可能とした。皮質骨、海綿骨を分離し、手術後の海綿骨密度の継時的変化を評価した。 術直後、術後1年、術後2年経過時の骨密度の比較では、カップ周囲の海綿骨密度が術後1年以内に大きく(10~40%)減少し、その後は緩やかに減少した。一方、皮質骨密度の低下は僅かであった。さらに、骨密度減少の程度はカップから離れるほど小さいこともわかった。また、オステオライシスを認めた症例はなかった。手術後の荷重応力伝達パターンの変化により骨盤海綿骨の著しい萎縮を生じるが、一方で皮質骨は変化を受けにくいことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)